伊万里市議会 > 2014-06-19 >
06月19日-04号

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  1. 伊万里市議会 2014-06-19
    06月19日-04号


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    平成26年 6月 定例会(第2回)          平成26年伊万里市議会会議録(第2回定例会)1.日 時  平成26年6月19日 午前10時00分開会2.出席した議員    1番  内 山 泰 宏         13番  松 尾 雅 宏    2番  松 尾 博 幸         14番  多久島   繁    3番  香 月 孝 夫         15番  前 田 久 年    4番  東   真 生         16番  草 野   譲    5番  前 田 和 人         17番  樋 渡 雅 純    6番  井 手 清 敏         18番  渡 邊 英 洋    7番  副 島   明         19番  高 木 久 彦    8番  井 手   勲         20番  笠 原 義 久    9番  馬 場   繁         21番  占 野 秀 男    10番  梶 山   太         22番  田 中 啓 三    11番  山 口 恭 寿         23番  盛   泰 子    12番  松 永 孝 三         24番  福 田 喜 一3.欠席した議員    な  し4.出席した事務局職員    局長  武 野 逸 郎5.地方自治法第121条による出席者の職氏名    市長                 塚 部 芳 和    副市長                江 頭 興 宣    総務部長               前 田 隆 博    政策経営部長             山 本 洋一郎    市民部長(福祉事務所長)       井 関 勝 志    産業部長               深 浦 弘 信    建設部長               北 野   稔    理事                 丸 尾   定    総務部副部長(総務課長)                       古 賀 恭 二    (防災危機管理課長)    秘書課長               古 場   博    消防調整課長             平 山 定 昭    政策経営部副部長                       髙 阪 雄 一    (伊万里湾総合開発・国道対策課長)    企画政策課長             力 武 浩 和    財政課長               岩 﨑 友 紀    市民部副部長(長寿社会課長)     深 江 俊 文    健康づくり課長            桑 本 成 司    観光課長               木 寺 克 郎    建設部副部長(建設課長)                       香 月 庄 司    (検査監兼技術監)    都市開発課長             中 里 憲 二    会計管理者              池 田 博 志    水道部長(水道事業管理者職務代理者) 中 尾 俊 幸    教育長                森   哲 也    教育部長               前 田 和 也    教育総務課長             吉 田   浩    学校教育課長             山 下   司1.議事日程    第1 一般市政に対する質問1.本日の会議に付した事件    日程第1 一般市政に対する質問┌──┬───────┬──────┬───────────────────────┐│順位│  氏 名  │指名答弁者 │        質 問 事 項        │├──┼───────┼──────┼───────────────────────┤│  │多久島   繁│市  長  │1.AEDの戦略的配置について        ││ 1 │       │関係部長  │                       ││  │(一問一答) │理  事  │                       │├──┼───────┼──────┼───────────────────────┤│  │       │      │1.地域防災行政無線の整備について      ││  │       │      │ (1) 地域防災行政無線とは          ││  │       │      │ (2) 事業完了までの流れ           ││  │       │市  長  │ (3) 予算計画と市民負担           ││  │香 月 孝 夫│      │ (4) 城山公園にある放送設備の現状と課題   │││       │関係部長  │                       ││  │(一問一答) │      │2.市制60周年を踏まえた「おもてなし」につ  ││  │       │理  事  │ いて(part2)               ││  │       │      │ (1) 伊万里市観光DVDの利活用       ││  │       │      │ (2) 本市への観光受入れ体制整備状況    ││  │       │      │ (3) 観光協会の現状と課題          │├──┼───────┼──────┼───────────────────────┤│  │       │      │1.福祉緊急通報システムの運用について    ││  │       │      │ (1) 運営主体変更の経緯           ││  │       │市  長  │ (2) 提供サービスの充実           ││  │樋 渡 雅 純│      │                       │││       │教 育 長  │2.教育行政について             ││  │(一問一答) │      │ (1) 木造建物(学校施設)の耐震化      ││  │       │関係部長  │ (2) 通学路の安全確保            ││  │       │      │ (3) 小中一貫教育              ││  │       │      │ (4) デイジー教科書の活用          │├──┼───────┼──────┼───────────────────────┤│  │       │      │1.都市計画道路の計画変更について      ││  │       │      │ (1) 都市計画道路の考え方          ││  │       │      │ (2) 道路形態とバイパス計画         ││  │       │      │ (3) 渋滞対策と緊急避難道路         ││  │       │      │ (4) 国道204号改修と湾岸道路の一体的改修   ││  │       │      │ (5) 市民の声をどう反映するのか       ││  │占 野 秀 男│市  長  │                       ││ 4 │       │      │2.原発防災対策について           ││  │(総 括)  │関係部長  │ (1) 防災無線について            ││  │       │      │ (2) 緊急避難道路整備について        ││  │       │      │ (3) 1・2号機の廃炉を求める気はないか   ││  │       │      │ (4) 市民団体の質問と回答について      ││  │       │      │                       ││  │       │      │3.高齢化社会の助け合い支え合い対策につい  ││  │       │      │ て                     │└──┴───────┴──────┴───────────────────────┘┌──┬───────┬──────┬───────────────────────┐│順位│  氏 名  │指名答弁者 │        質 問 事 項        │├──┼───────┼──────┼───────────────────────┤│  │       │      │1.伊万里市制60周年記念の年         ││  │       │      │ (1) 伊万里市政として、何を意義とし、何を  ││  │       │      │  行うか                  ││  │前 田 和 人│市  長  │ (2) 記念事業のあり方について        ││ 5 │       │      │                       ││  │(一問一答) │関係部長  │2.総合計画後期基本計画について       ││  │       │      │ (1) 後期基本計画を実行するための実施計画  ││  │       │      │ (2) 後期基本計画実施後、5年後の絵姿は   ││  │       │      │ (3) 実現のための財源見通しは        │└──┴───────┴──────┴───────────────────────┘1.会議の顛末                (午前10時 開議) △日程第1 一般市政に対する質問 ○議長(内山泰宏)  おはようございます。定刻、定足数に達しておりますので、ただいまから本日の会議を開きます。 日程に従いまして、一般市政に対する質問を行います。 今期定例会における質問通告者は13名で、その日程は本日、あす及び23日の3日間となっております。 ここで、テレビ放映について御報告いたします。 市長から一般市政に対する質問の放送許可願いがあり、これを許可しておりますので、御了承ください。 なお、放送は伊万里ケーブルテレビジョン西海テレビともに生放送及び本日から録画放送となっております。 次に、議員並びに執行部の皆様におかれましては、時間配分に十分留意され、質問、答弁は簡潔にしていただき、議事進行についての御協力をよろしくお願いいたします。 また、質問事項が共通すると思われる通告もあっており、関係の方は質問、答弁が重複しないよう配慮して行っていただきますよう、あわせてお願いいたします。 それでは、質問の順番により、14番多久島議員。 ◆14番(多久島繁) (登壇) おはようございます。今会議、13名の方が一般質問されますが、その中で、運よく1番目に質問することができました。今、田植えも大方終わろうとしておりますが、一苗一苗が秋には大きな実りとなって収穫を迎えることでしょう。私たちの一般質問も大きな実りとなりますよう期待して、一般質問に入りたいと思います。 今回は、AEDの戦略的配置についての1件のみの通告をしております。大変重要と考えましたので、先延ばしせず今議会で質問させていただきます。サブタイトルを、AEDで助かる命ということで進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 日本で、病院外心原性心停止、いわゆる心臓突然死に陥る人の数は毎年6万人に上ると言われています。その名のとおり、その症状は予知や予防するには限界があります。頼みの綱の救急車は、全国平均でいきますと現場到着まで、119番通報から平均約8分かかると言われております。 皆さん御存じのとおり、AEDと呼ばれる一つの機械の出現により救命が現実のものとなってきています。自動体外式除細動器、AEDと呼ばれております。平成22年の1年間に、全国の統計では、病院外心原性心停止に対し現場にあったAEDを使用された例が667件に上るということです。それだけでも驚きですが、その45%の方の命が助かっております。 見落としてならないのは、同じ平成22年の病院外心原性心停止の総数は2万2,463件に上り、そのうちAEDを使用されたのはたった3%だったということが事実です。残り97%の方はAEDの恩恵に恵まれなかった、あずかれなかった。なぜなのか。AEDの絶対数がまだまだ足りないと思います。 AEDの設置に関して、法律による統一された設置基準はなく、設置者の理解や予算に左右されているのが現状です。伊万里市においても、各町公民館、小学校、中学校、高校、駅など公共施設には最低1台設置されてはおります。しかしながら、運動広場、公園など住民が集う場所に十分な配置がなされているのでしょうか。 また、平日はいいでしょうが、土曜、日曜、祭日や午後5時以降など、公民館など公共施設に人がいない場合の対応です。そういうことを考えますと、新たなAED設置における基準が必要ではないでしょうか。AED整備に関する計画的、戦略的な考えを市として持つべきではないかと思う次第です。 お聞きします。伊万里市内の一般の事業所等を含め、AEDが何台あるのか。そして、平成25年の救急出動で119番入電から現場到着の平均時間はどれくらいかかっているのか。そして、救急隊員が救急現場で実施した除細動の事案件数は何件あったか。そのうち、救急車が到着する前に一般市民によるAEDの使用は何件あったのか。 以上、壇上での質問とします。 ○議長(内山泰宏)  理事。 ◎理事(丸尾定) (登壇) おはようございます。多久島議員のAEDに関する4点の項目につきまして、お答えをいたします。 まず最初に、一般事業所等を含めてAEDが何台あるかというお尋ねでございますけれども、平成26年3月現在で76施設を把握しております。これは、昨年度までに消防本部が確認、把握している数字でございますけれども、これ以外にも設置されている場所があるんじゃないかというふうに考えております。 ちなみに、消防本部で確認されているAEDにつきましては、消防本部のホームページや各町公民館にAEDのマップということで御紹介をいたしております。 それから2つ目の、25年の救急出動で現場到着までの平均時間はどれくらいかということでございますけれども、25年中の伊万里市の救急件数は2,359件となっております。このうち、通信司令室のほうに119番の入電がありまして、救急隊員が現場到着するまでの、これは平均でございますけれども、7分36秒というふうになっております。 それから3つ目に、救急隊員が救急現場でAEDを必要とした事案は何件あったかということでございますけれども、先ほど御紹介がありました心停止状態ですね、この症例につきましては53件ございまして、このうち、救急隊員が現場で先ほどのAED、体外式除細動器を使用した分は10件というふうになっております。ほかの43件につきましては、この電気ショックを必要としないという、適用外となったことによるものでございます。 それから4つ目の、救急車が到着する前に一般市民の方によるAEDの使用は何件かということでございますけれども、25年中は、救急出動したうち一般市民の方が使用された例はございません。23年、24年も、一般市民によるAED使用例はあっておりません。 ただ、過去には、AEDの電極パットでございますけれども、これを装着までしたという例はございますけれども、電気ショックを適用したという例はございません。 以上でございます。 ○議長(内山泰宏)  多久島議員。 ◆14番(多久島繁)  今、市民の方が利用して、救急車が到着するまでに使用した例は、今のところ完全に使用したというのはないということでございましたけれども、AEDを実際に操作する市民の育成についてお聞きしたいと思います。 AEDが近くにある環境が整っていても、操作する人がいなければAEDも役に立ちません。消防署において、AEDの操作に係る講習会を行われているのでしょうか。年間どのくらいの方が受講されているのか、また、講習会開催の周知はどのようにされているのか、お聞きしたいと思います。 ○議長(内山泰宏)  理事。 ◎理事(丸尾定)  年間の救急講習会等の受講者数、それから、それの周知方法ということでございますけれども、消防のほうでは普通救急講習会と呼んでおりますけれども、大体年間に100回程度、実施をしておりまして、個人または団体等の申請によりまして開催をいたしております。市民の皆様は応急手当講習会に非常に関心が高く、平成25年度の講習会は104回の開催ということで2,626人の方が受講されております。平成23年度からの2年を見ましても、受講者は例年2,500人程度となっております。 次に、講習会等の開催の周知方法でございますけれども、消防本部のホームページや市の広報紙、それから、ケーブルテレビなどを通じて受講希望などを募っているということでございます。 以上です。 ○議長(内山泰宏)  多久島議員。 ◆14番(多久島繁)  今、25年度で2,626名の方が受講されたということでございますが、これはAEDの操作をされた方は多分わかると思うんですけれども、機器の音声ガイダンスによって大体誰でも簡単にできるような操作になっていると思います。あれをあけると、「パットをしてください」とか、そして「電源を入れてください」とか、「心停止状態ですので離れてください」とか機械がしゃべりますのでね。でもですね、これを実際、現場で使用するということになると、やっぱりちゅうちょされる方も多いと思います。 AEDが必要と思われる場面に遭遇した際に、誰でもが勇気を持ってAEDを活用できるように、操作を含めた救急蘇生講習等の開催について周知の充実をお願いしたいと思います。私も含め医学的知識のない一般市民が、目の前の心停止状態の人を見て異常と認識できない状態を無視して心臓マッサージやAEDを開始できるかというのも甚だ疑問でございます。目の前にAEDがあっても、講習を受けていないから使えないとちゅうちょすることで、それこそ助かる命も助からないかもしれません。まずAEDを操作することが大事だと思いますが、普通の一般市民の方がAEDを使用することは、やはり難しいでしょうか。 ○議長(内山泰宏)  理事。 ◎理事(丸尾定)  一般市民の方がAEDを操作するのは難しいのかというお尋ねでございますけど、先ほど議員が御紹介されましたとおり、機器につきましては音声で使い方を誘導する仕組みということになっております。 それから、電気ショックが必要か否かの、先ほども出ておりましたけれども、診断機能もついておりまして、機器的には非常に正確性が高く安全な機器となっております。 それから、心室細動以外の不整脈や心停止、あるいは呼吸や意識がある場合など、電気ショックが必要でない場合にはボタンを押しても電気が流れないということで、安全性が確保されております。 ただ、先ほどこれも議員のほうから御紹介がありましたとおり、やはり操作と安全性から講習を受けなくてもいいということよりも、いざというときに、緊急時でございますので、冷静な対応と確実な操作を行うために定期的に講習を受けることが重要ではないかということで考えております。 以上でございます。 ○議長(内山泰宏)  多久島議員。 ◆14番(多久島繁)  私、最後のほうで、実際に現場に遭遇したときには、講習を受けていなくても使っていいんでしょうかということをお聞きしたんですけれども、そこはだめだということでしょうか。 ○議長(内山泰宏)  理事。 ◎理事(丸尾定)  それについては、それで結構でございます。 ○議長(内山泰宏)  多久島議員。 ◆14番(多久島繁)  現場に遭遇し、AEDがあった場合には臨機応変に対応して、その命を助けるということがまず大事だということですね。──はい、わかりました。 次に、既存施設の管理運用面についてお聞きしたいと思います。 市がAEDを設置している施設は何カ所あって、どこが管理運用されているのか、お聞きしたいと思います。
    ○議長(内山泰宏)  市民部長。 ◎市民部長(井関勝志)  市の公共施設におきますAEDの設置状況、管理運用についての御質問でございますけれども、AED全般の御質問ということで、市民の安全・安心という観点から、市民部のほうで回答させていただきます。 市の公共施設のうち、児童・生徒の安全・安心という観点から、滝野小・中学校を除きます市内22カ所の小・中学校にそれぞれ1台を設置しております。これは社会福祉協議会からの寄贈となっております。 また、広く一般市民の皆さんの安全・安心という観点から、13カ所の公民館、そして市民図書館、駅ビル、市民センター、市民会館、伊万里・有田焼伝統産業会館、市役所、滝野小・中学校にそれぞれ1台、また、国見台公園管理事務所に2台、そして、貸し出し用といたしまして消防本部に1台の計23台を設置しているところでございます。こちらはリースで整備しているところでございます。 設置においての基準といたしましては、平成18年、導入当時に県から示されておりました整備基準に準じて整備しておりまして、多くの市民の方が利用する施設で、AEDが精密な機械であることから、また、温度、湿度、ほこりの問題から、常時職員が配置され屋内での管理が可能な施設ということで、さきに述べました公共施設44カ所に常設して、消防本部に貸し出し用といたしまして1台を設置しております。 管理運用につきましては、AED取り扱い要領及び貸し出し要領に基づきまして、それぞれの施設において管理運用を行ってきております。 以上でございます。 ○議長(内山泰宏)  多久島議員。 ◆14番(多久島繁)  44カ所ということですけど、先ほど消防のほうでは76施設というお話でございますけど、多分ここは一般企業とかトータルでの76カ所だと。だから、公共施設では44カ所ということでよろしいですね。(「はい」と呼ぶ者あり) 市の公共施設の状況をお聞きしましたが、例えばどの町内でも、設置されている公民館や小・中学校で申しますと、先ほど言いましたけど、もし休日、夜間に、施設が閉館して誰も人がいないというときに心停止の方がいらした場合、AEDを借りるにはどのようにして借り、また使用することができますか。 ○議長(内山泰宏)  市民部長。 ◎市民部長(井関勝志)  もし休日、夜間など施設が閉館していて誰も人がいないときに心停止の方がいた場合の借用方法ということでございますけれども、公民館や小・中学校を含めまして、緊急の場合は玄関等のガラスを破って使用してもよいということで対応しているところでございます。  以上でございます。 ○議長(内山泰宏)  多久島議員。 ◆14番(多久島繁)  利用されている市民の方は、その運用の仕方を御存じでしょうか。 ○議長(内山泰宏)  市民部長。 ◎市民部長(井関勝志)  公民館を例にとりまして御紹介しますと、閉館時のAED使用方法につきましては、公民館報で年1回お知らせをしていただいているところでございます。しかしながら、これまで積極的な周知ということは行っておりませんので、今後、市報や公民館報等でお知らせするとともに、AEDの講習会の中で周知をしていただくなど、関係部署と連携してこの対応を検討してまいりたいと、このように考えております。 ○議長(内山泰宏)  多久島議員。 ◆14番(多久島繁)  公民館によっては、ガラス窓にマークをかけて、このガラスを割って中に入ってくださいと書いてある公民館もあるんですよね。それでも、やっぱり町民の方、市民の方にとっては、公共施設の窓を打ち破ってまでというのはですね、なかなかちゅうちょされることだと思います。 そこで、学校に関することですので、教育部長にお聞きしたいところですが、私のほうでわかっておりますので言いますが、学校が閉まっていても使えるように、野外に──野外というか、玄関の外なんですけど、中にガラスを割って入らなくてもいい、窓を割って入らなくてもいいように、玄関の外に設置してある学校が伊万里市内にもあります。それは国見中学校。私が知っている限りですが、ほかにあるかもしれませんけれども、私が知っている限り、国見中学校はそういうふうにしてあります。 そこで、提案というか、お尋ねしたいと思いますけれども、AEDの必要性、利便性を考えますと、公民館や小・中学校などの市の公共施設にあるAEDは、現在の屋内設置ではなく屋外に設置することが望ましいと考えますが、どうでしょうか、市民部長。 ○議長(内山泰宏)  市民部長。 ◎市民部長(井関勝志)  今、議員から御紹介の国見中学校の屋外については、済みません、私が十分に把握できておりませんでした。全般的なことでということで御回答をさせていただきます。 議員御指摘のとおり、市民の皆様が利用しやすいように屋外に設置するとしたことは利便性が向上すると考えますが、AEDは、先ほど御説明しましたように精密機械でありますので、温度の変化や水分やほこりの侵入に弱い面がございます。また、公民館や学校等では、消火器などの盗難やいたずら等による器物損壊の事例もありまして、緊急時の人命にかかわるというAEDの本来の機能を考えますと、確実に動作可能な状態にしていくことが必要であり、屋外の管理というのは好ましくなく現行どおりがよいと、このように考えております。 以上でございます。 ○議長(内山泰宏)  多久島議員。 ◆14番(多久島繁)  AEDの屋外設置については、現状では困難という見解をお聞きしました。いざというときに窓ガラスを割ったり、強化ガラスのドアを蹴り破ったりは難しいことだと思います。ハンマーとかボンゴシとかが置いてあれば何とかなると思いますが、そういう時間も惜しいというときに、そういうのではなかなか解決しないのではないかと思います。言いたくありませんが、AEDと命、どっちが大事なんですかということですね。心室細動発生後1分でAED除細動が成功すると約90%の人は助かりますが、2分では助かる人は約80%に減ります。このように、心室細動発生から除細動までの時間が1分おくれるごとに、7%から10%ずつ助かる命が減ってきます。こういうことから心臓発作が出て5分程度が勝負だと言われています。 先ほど丸尾理事からお聞きしました、伊万里市の平均が現場に到着するまで7分36秒とお聞きしました。私としては、AEDの必要性、利便性を考えますと、特に近くに運動場がある公民館については、平日はいいでしょうが、土曜、日曜、祭日や午後5時以降など、公民館など公共施設に人がいない場合を考えますと、現在の屋内設置ではなく屋外に設置することが望ましいと考えます。ぜひ公民館については、今後、地元と協議していただき、また、学校についても屋外設置について十分検討していただきたいと思います。 続きまして、AEDの設置場所及び絶対数の確保についてお聞きしたいと思います。 ここで、3年ほど前に新聞、テレビ等で取り上げられましたお話をしたいと思います。 今、世の中、サッカーのワールドカップで話題が持ち切りでございます。沸き返っておりますが、平成23年8月に、以前は横浜マリノスでプレーし、日本代表として活躍していたサッカーの松田直樹選手が、長野県松本市の公園グラウンドで練習中に心室細動、急性心筋梗塞で倒れ亡くなるという事故があり、新聞、テレビ等で一時期騒がれたのは皆さん覚えていらっしゃると思います。 松田選手が倒れて、練習をたまたま見に来ていた看護師から心臓マッサージを受けながら、5分後には救急車が到着し、近くの大学病院救急救命センターに搬送されましたが、このとき既に心肺停止状態だったそうです。その後、急性心筋梗塞と診断され手術を受け、微弱ながら心臓の鼓動は戻りましたが、人工心肺装置をつけ意識不明の重体が続いておりましたが、2日後に帰らぬ人となられました。 実はこのとき、現場にいたチームメイト2人が公園管理事務所に走りましたが、AEDの設置はされていませんでした。チームがいつも練習する市営のサッカー場にはAEDがあったそうですが、その日は少年サッカー試合が開催されるため、場所を変更して練習していたということでありました。運が悪かったとしか言いようがないのですが、そのような偶然で生死が左右されていいはずがありません。 伊万里市内では救急車が到着するまでに、先ほど言いました7分36秒ですね。公共施設等、特に運動公園や公園が市内に点在しております。例えば、伊万里湾大橋球技場、東山代運動広場、楠久津公園、深山運動広場、畑川内の東黒川運動広場、竹の古場公園、高尾山公園、東田代自然の森キャンプ場などAEDが設置されておりません。今挙げたのは大体、郡部のところを挙げたわけなんですが、これは非常に危うく感じます。 例えば、楠久津公園を例に挙げてみますと、昼間は多くの小さな子ども連れの親子さんが遊びに来ておられます。また、海に隣接していますので、海難事故も心配されるところです。そして、日曜日には伊万里市の還暦野球チーム、私も含めて議員の中に4名おりますが、もちろん私もメンバーの一人で練習に参加しておりますが、私も含め、いつ心臓がとまってもおかしくない人たちばかりなんですね。 このように、近年、生涯スポーツが盛んになっており、市民の方が参加されたスポーツ行事等でこのような事故が起こる可能性は高まっております。もしAEDが必要となる事態が発生した場合、救急車を待つしか方法はなく、助かる命も助からない可能性があります。 そこで、お聞きしたいと思います。 この対策として、例えば消防署に設置してある貸し出し用のAEDがあると思いますが、これを現行の1台から相当数ふやすとか、このような運動広場や公園の近隣の民家に依頼して設置することができないかなども検討していただけたらと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○議長(内山泰宏)  市民部長。 ◎市民部長(井関勝志)  議員御指摘のとおり、運動広場や公園には現在AEDは未設置となっております。運動広場や公園で未設置の理由といたしましては、先ほども申し上げましたようにAEDが精密機械であること、そして、温度、水分、ほこりに弱いこと、また、AEDの収納ボックスには、AEDの性格上、施錠できないため、盗難やいたずら等が危惧されることから、導入当初から職員など管理する人がいない施設につきましては、設置ではなく貸し出し用での対応となったところでございます。 貸し出しについては、市全体で毎年約80件程度の利用があっておりますので、まず、貸し出し用について、今後の利用状況等を勘案しながら整備について検討してまいりたいと、このように考えます。 ○議長(内山泰宏)  多久島議員。 ◆14番(多久島繁)  今、AEDの貸し出し利用が全体で80件あったとお聞きしましたが、公共施設のAED設置については常設設置すること、つまり、極力持ち出さないようにするのが本来のあり方だと考えます。というのは、そこにあると思ってAEDを取りに行ったところ、運悪く別な場所に持っていって、そこになかったと。AEDを使用できないから、助かる命が助からなかったということが起こらないようにすることが求められていると思います。 そこで、AEDの貸し出しの状況についてお聞きします。 年間約80件程度の貸し出しがあるということでしたが、消防本部の貸し出し用のAED以外での貸し出しの実績があるのかどうか、お聞きしたいと思います。 ○議長(内山泰宏)  市民部長。 ◎市民部長(井関勝志)  繰り返しになり申しわけないですけれども、AEDにつきましては、市内の主要な公共施設42カ所にそれぞれ1台、また、体育イベント等が多い国見台公園事務所に2台を配置、そして、消防本部に貸し出し用として1台を配置しているところでございます。 常設のAEDにつきましては、いつ必要とされるか予測できない状況で、議員御指摘のとおり配備機能と貸し出し機能を持たせることは問題であると認識しております。しかし、平成18年のAED導入当初、伊万里市AED貸し出し要領及び取り扱い要領を定めまして、一般貸し出しについては、消防本部の貸し出し用1台で対応するということで来ておりますけれども、18年当時、小・中学校には配置されていなかったこともあり、貸し出し要領の特例といたしまして、公民館分につきましては町内の小・中学校イベントなどへの貸し出しを認めるということにしており、平成25年度では、13公民館のうち8公民館において54回の町内の体育協会や子ども会等のイベントでの利用があったところでございます。 この8公民館と消防本部の貸し出し実績を確認してみますと、同じ日に重複した日がございませんので、貸し出しについては、本来、議員御指摘のとおり貸し出し用として設置しております消防本部分を借りていただくよう、再度、周知徹底をしてまいりたいと、このように考えます。 また、さきにお話ししましたとおり、貸し出し用につきましては公民館の利用状況も含めまして、今後の利用状況を勘案しながら整備について検討してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(内山泰宏)  多久島議員。 ◆14番(多久島繁)  今、公民館の分も貸し出していたということが言われましたけれども、やっぱり消防署に貸し出し用の台数をもっとふやしてですね、86回ですかね、あった中で、今回はたまたまダブらなかったということですけれども、イベントが集中するということもありますので、やっぱり重なる機会があるかと思います。公民館から持ち出せば、それはクリアできると思うんですけれども、先ほど言ったように、公民館のやつはなるべく動かさないということで、貸し出しで賄うというふうに進んでいただきたいと思っております。 それでは、市長にお聞きいたします。 市長は、第4期目のマニフェストに健康長寿日本一を上げられております。AEDは、助けられる命を助ける必要な器具であると思いますが、市長として、AEDの適正な計画的な配置、いわゆる戦略的な配置に向けた考え方をお聞きしたいと思います。 ○議長(内山泰宏)  市長。 ◎市長(塚部芳和) (登壇) 多久島議員のAEDの必要性、有効性につきましては、議員のおっしゃるとおりだと思っております。心停止は突然に来ること、また、その発生した時間から適正な対応を行うまでに要した時間によって、その救命率も大きく異なると言われております。病院外の心停止の7割以上は、自宅など住宅内で発生をしていると言われておりますが、発見される場合は公共の場所のほうが高く、AEDの使用により救命される可能性が高いとされております。 一方、AEDを効果的、効率的に活用するためには、その現場におられた市民の皆様にAEDを操作していただき救助を委ねるというAEDの性格上、一般市民向けの講習会をなお一層、推進していくことが重要だと考えております。 また、AEDの設置拡充につきましては、議員おっしゃるとおり新たな戦略的な設置基準を設け検討をすることとし、まずは、消防署の貸し出し分を充足、あるいは増設できないか、検討したいと思います。 ○議長(内山泰宏)  多久島議員。 ◆14番(多久島繁)  よろしくお願いいたします。 早急にお願いしたいのは、やっぱり大橋球技場です。ここは、子どもたちがナイターでサッカーの練習をしたり、また、いろいろな方がソフトボールの練習試合をされる機会が非常に多いところなんです。一番心配するところなんですね。そこをよろしくお願いして、短時間でございましたが、終わりたいと思います。ありがとうございました。 ○議長(内山泰宏)  ここでしばらく休憩いたします。               (午前10時40分 休憩)               (午前10時50分 再開) ○議長(内山泰宏)  会議を再開いたします。 引き続き、一般市政に対する質問を行います。3番香月議員。 ◆3番(香月孝夫) (登壇) 本日2番目の質問となります香月孝夫でございます。よろしくお願いいたします。 質問に入ります前に、議案の提案理由説明の中で、市政運営について塚部市長の所信の一端が述べられました。その一部になりますが、皆様へお伝えしたいと思います。 「昭和29年の市制施行から60周年を迎えた今、西九州北部の中核都市としての機能と風格を備え着実な発展を遂げてきた今日の伊万里市が、次なるステージへと大きく飛躍するよう、私は、市政運営の原点に立ち返り、「さわやか市政」を推進するとともに、「暮らしの安心・安全の確保」、「地域産業の振興」、「賑わいと活力の創出」の3つのまちづくりを積極的に展開し、市民福祉のさらなる向上と将来に向けた伊万里市の発展に全力を尽くす決意であります」と力強い決意がなされました。 その中にありました「次なるステージへ」、ことしは市制施行60周年という節目の年に当たります。次なるステージを目指す、まさに60周年の節目にわくわくするようなキーワードではないかと思います。まずは、難しいことを抜きにして、市民の皆様がそれぞれに次なるステージを目指すという思い、そして、それが集まれば伊万里をよりよい方向へ導くきっかけにつながるような気がいたします。 前段が長くなりましたが、通告に従い質問に入りたいと思います。 まず1点目ですが、地域防災行政無線の整備について質問していきたいと思います。 この地域防災行政無線については、一般質問で幾度となく取り上げられております。第1回の定例会においても、多久島議員が防災行政無線の整備を急げというタイトルで質問がなされました。 戻りますが、冒頭でも触れました市長の所信の中にもありますように、市民の皆様の暮らしの安全・安心確保を積極的に推進するとありました。この地域防災行政無線の整備の早期実現を目指すためには、市民の皆様の地域防災行政無線に対するそのイロハについて、まずは十分な御理解と御納得、そして御協力が必要ではないかと思います。 そこで、地域防災行政無線とは何なのか、また、どのようなシステムなのかについて、その詳細をお尋ねいたします。前回の多久島議員などと重複する部分があっても構いませんので、よろしくお願いいたします。また、説明に関しては十分な時間を要しても構いません。また、ゆっくりとした口調、そして、マイクに近づいて、明瞭に御回答をお願いいたします。 次に2点目ですが、前回の3月議会に続き今回はその第2弾として、市制60周年を踏まえた「おもてなし」(part2)ということで御質問をしていきたいと思います。 前回は、おもてなしの精神などに触れながら、伊万里市の観光に対する方向性や、これまでの取り組みなどについてお尋ねをいたしました。 今回は、その後、動き出した観光振興策のおもてなしについて、ひもとくべく、まずは先月5月に完成した伊万里市観光DVDについて触れていきたいと思います。 皆さんも飲食店などへ出かける場合、前宣伝、俗に言うプロモーションですが、これは非常に重要な利用動機の一つになるのではないかと思います。その店がどんな雰囲気だろう、どんな味だろうなど、そこのお店や場所などを想像させる大切な部分の一つではないかと思います。ひょっとして、この前宣伝がなければ、そのお店や場所を知ることすらないかもしれません。飲食業界では、前宣伝の部分を先味、期待を寄せる味などと表現する場合があります。 そこで、伊万里市の魅力を市外などにお伝えする先味の部分、料理に例えるならば、その料理の味はどのような方法で皆様にお伝えするかのように、今回完成した伊万里市観光DVDの利活用について、市外の方や、また市内の方へのインフォメーション──案内ですね──の方法はどのように考えておられるのか、こちらも1問目と同様にゆっくりと明瞭に御回答をお願いいたします。 以上、壇上からの質問を終わります。 ○議長(内山泰宏)  総務部長。 ◎総務部長(前田隆博) (登壇) 皆さん、おはようございます。それでは、香月議員の防災行政無線とはどのようなものか、システムなのかという御質問にお答えいたします。 伊万里市におきましては、災害情報や避難勧告の発令など、市民に伝達するための防災行政無線が未整備でありましたので、平成26年度からその整備に着手することとし、今議会に基本設計のための予算をお願いしているところでございます。 その防災行政無線の仕組みといたしましては、伊万里市独自に使用することができる防災用の無線の周波数帯を使用した市から市民への情報伝達システムであり、市役所から発信した情報を市内全域に設置したスピーカー等から放送することができるようになります。 その整備の概要でございますけれども、まず、災害情報を発信する親局を市役所に設置し、副局を伊万里消防署に設置します。そして、親局から発信された電波を中継するための中継局を市内のいずれかに設置し、実際に音声が放送されるスピーカーとなる屋外拡声子局を各行政区ごとに設置いたします。また、放送の二重化を図るため、市内各行政区の駐在員宅などには屋内の戸別受信機を配備することになります。 概算事業費といたしましては約8億円を見込んでおりますけれども、伊万里市の地形上の条件等がございますので、詳細な整備内容や事業費については基本設計の中で詰めていくことになります。 防災行政無線を整備することで、災害情報などを住民の皆様に迅速かつ一斉にお知らせすることが可能となり、迅速な住民避難などの初動体制が確立され、市民の防災・減災に大きく寄与するものと考えております。 以上でございます。 ○議長(内山泰宏)  産業部長。 ◎産業部長(深浦弘信) (登壇) 香月議員の観光DVDの利活用についてということでの御質問ですので、回答させていただきます。 伊万里市観光DVDにつきましては、来年の西九州自動車道の本市への延伸を見据えまして、福岡都市圏からの誘客を図ることを目的として、市内外において観光地伊万里の魅力を多角的に情報発信していく重要なツールとして、8年ぶりに新たに制作したものです。 御質問の観光DVDの利活用策といたしましては、先月、5月8日に完成試写会でリリースして以来、さまざまな場面や用途での有効活用を図るため、DVDの配布や貸し出し、映像の配信に鋭意取り組んでいるところです。 市外向けにつきましては、既にネット上でのユーチューブを初め、市や観光協会のホームページ、九州観光推進機構のウエブサイト等から映像の配信を行うとともに、福岡都市圏の旅行会社やハウステンボス、それから佐賀県の首都圏営業本部など、市外の観光関係の企業や機関に対し、ツアーの企画や観光宣伝の題材用として提供を行っております。 また、市内におきましては、伊万里・有田焼伝統産業会館や伊萬里まちなか一番館、市内のホテル等の宿泊施設、それから主な観光施設、報道、メディア機関にも配布しまして、そのほか生涯学習センター、市観光課、市民センター等の施設におきましては、市民や団体向けへの無料貸し出しを始めているところです。 そういうふうな中で、既に伊万里・有田焼伝統産業会館や図書館で放映されるとともに、先ほど見られた方もいらっしゃるかと思いますが、伊万里ケーブルテレビにおかれましては、今議会の一般質問の休憩中の時間帯に放映するということで、市民の方へのお知らせということにしております。 これに加えまして、スマートフォンなどからでも手軽に映像を視聴できるように、市の観光ポスターやパンフレット、それから市の封筒、職員名刺等に今回QRコードを掲載するということにしております。つまり、スマホ等でそのQRコードをかざしていただきますと、ユーチューブを通して市の観光DVDが見られるというふうな仕組みも今回行っております。 今後とも、福岡都市圏のメディア系の企業や各種観光関連の機関、団体への配布、情報発信ツールへの投稿などを通じまして、市内外で広範にわたりDVDの映像が活用できる仕掛けづくりというものに積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。 以上です。 ○議長(内山泰宏)  香月議員。 ◆3番(香月孝夫)  御答弁ありがとうございます。 まず、地域防災無線の整備についてから入っていきたいと思います。 地域防災無線のシステム、概要について今お伺いしましたけれども、当然、先ほども出てきました約8億円をかけて整備されていくわけですが、今回、今年度については基本設計の部分に取り組まれるわけですけれども、おおよその全体の事業完了までの流れ、おおよその目安的な部分でお伝え願えないでしょうか。 ○議長(内山泰宏)  総務部長。 ◎総務部長(前田隆博)  事業完了までの流れについてでございますけど、まず、先ほど申し上げましたように、今年度、基本設計を行うことにいたしております。この基本設計の中では、電波の到達範囲などの調査を行います。それで、最適な中継局の設置位置や屋外拡声子局の設置数などを把握することにいたしております。 次に、平成27年度に実施設計を行い、この中で音声の伝達範囲などの調査を行い、実際の中継局や屋外拡声子局の設置場所、設置に伴う資機材の数量などの調査、それに設置に伴う強度安定計算などより詳細な検討を行い、整備工事に必要な数量計算書などの作成を行うことになります。その後、平成28年度から31年度の4カ年で整備工事を予定しているところでございます。 以上です。 ○議長(内山泰宏)  香月議員。 ◆3番(香月孝夫)  約6年ほどやはりかかりそうなところになろうかと思うんですけれども、この進捗状況につきましては、やはり市民の皆様に何らかの形でお伝えしていただきながら、市民の皆様もともにこの地域防災無線のところを進めていっていただければと思います。 当然、先ほども出ましたけれども、8億円という数字が示されておりますけれども、こちらのほうの予算計画とあわせて、この設備ができるに当たって市民への負担などはないのか、その辺のところについてお尋ねしたいと思います。 ○議長(内山泰宏)  総務部長。 ◎総務部長(前田隆博)  防災行政無線に係る財源関係の御質問だと思いますけど、直接市民の方に御負担をどうこうするということはございません。 ちょっと申し上げてみますと、先ほどから申し上げておりますとおり、概算でありますけれども、8億円程度見込んでおります。この8億円のうち約7億3,000万円につきましては、緊急防災・減災事業債、それから防災対策事業債など、交付税算入率の高い起債を充当することで計画をいたしております。こうした起債を活用することで、事業費8億円のうち交付税措置額を差し引いた実質的な市の持ち出し額は、起債償還も含めて16年間で約3億円程度になるものと考えております。 なお、この3億円の持ち出し分につきましては、今年度から県より交付されます核燃料税交付金等を充当することで計画いたしております。 以上でございます。 ○議長(内山泰宏)  香月議員。 ◆3番(香月孝夫)  一応費用については、目安として8億円程度になっておりますけれども、やはり通信の部分であったりする部分については、時代の流れとともに改良され、いいものが出てきたりしておりますので、その辺のところも含みながら、一番いいものが取りつけられるように、ぜひ検討していただきたいと思います。 この地域防災無線については、先ほども触れましたけれども、やはりまだシステムの理解というのはなかなか、隅々まで行き渡るのは難しい部分があるかと思いますので、いろんな形を通じて広報していっていただきたいと思います。 この地域防災無線ですけれども、目先を私の住む地域にちょっと移していきたいと思います。 今回この質問に至る経緯というのはどこから来たかと申しますと、通常というんですか、伊万里川沿いに城山公園というのがありますけれども、その城山公園というのが、大体定時になればミュージックチャイムが鳴っていたわけですが、ちょっとここ最近、鳴っていないなというところを地域の方から聞きまして、そうだなというところから消防のほうにもお尋ねをしたわけですけれども、10月1日からミュージックが流れていないということでした。それはなぜかというお尋ねをしたんですけれども、設備の調子が悪いというところでしたけれども、やっぱり地域にとっては、これまでなれ親しんだ、緊急放送なども流れていたときもありましたので、ちょっと気になるところでございます。 というところで、城山公園にあるミュージックチャイムの現状についてお尋ねしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○議長(内山泰宏)  理事。 ◎理事(丸尾定)  城山公園のミュージックチャイムの現状というお尋ねでございますけれども、城山公園にありますミュージックチャイムにつきましては、昭和44年7月に伊万里ロータリークラブから市民への広報用ということで寄贈を受けまして、同年10月から消防本部で運用管理をいたしております。 設置の状況といたしましては、城山公園の展望台がございますけれども、展望台の上部にミュージックチャイムの機器、スピーカー、アンプ等を設置している状況でございます。 それで、先ほど10月ということでお話があっておりますけれども、この10月からのミュージックチャイムにつきましては、もう1カ所、市役所の屋上にございますけれども、これは双方とも消防の通信司令室の改修関係がございまして、それで操作ができないということで、9月の市役所だよりを通じて、しばらくお休みをしますということでお知らせいたしておりました。 その後、年度が変わったわけでございますけれども、機械室内の機器調整の都合で、6月からということで、市役所の上部にございますミュージックチャイムだけを運用し、城山公園のほうは今現在、停止をしているという状況でございます。 なぜ、城山公園のほうを停止しているかといいますと、先ほど申しました展望台の上に設置ということで、その展望台が老朽化をいたしておりまして、ちょっと検討する必要があるということで、今現在は市役所の上にあるミュージックチャイムだけを運用しているという状況でございます。 以上です。 ○議長(内山泰宏)  香月議員。 ◆3番(香月孝夫)  現在、やはりとまっているという状況のようですけれども、これについては修理等は可能な状況なのでしょうか。 ○議長(内山泰宏)  理事。 ◎理事(丸尾定)  機器自体は、ちょっとまた接続して調整部分が、実際してみないとなかなかわからない部分があるかもわかりませんが、直接見てみましたら、機器自体は使えるのかなということは想定されます。 ただ、先ほど申し上げましたとおり、それを乗せております下の部分がちょっと老朽化をしているので、それが一体ということになっておりますので、そこらをあわせて検討する必要があるんじゃないかというふうに捉えております。 ○議長(内山泰宏)  香月議員。 ◆3番(香月孝夫)  いずれにしても、修理にしても若干の費用が発生する可能性はあるということも考えられますけれども、今回この地域防災無線の整備が進むわけですけれども、こちらとの連動というんですか、城山公園の放送設備の方向性というのはどのようにお考えでしょうか。 ○議長(内山泰宏)  理事。 ◎理事(丸尾定)  防災行政無線との絡みということでございますが、運用上はですね、この防災行政無線においても、時報といいますか、そういったものが放送できるというふうに聞いておりますので、それとの併用といいますか、そういう形については市の防災担当のほうとですね、どうすべきかということでちょっと協議をさせていただきたいというふうに思っております。 ○議長(内山泰宏)  香月議員。 ◆3番(香月孝夫)  やはり地域にとって、13町、どこの地域もそうでしょうけれども、町なかの地域においても城山公園のミュージックチャイムというのは、いろんな意味でなれ親しんだ部分があります。将来的にはですね、こちらの防災行政無線の整備もあわせて、ぜひいい方向に向かうように検討をしていただきたいと思います。 次の項目に移りたいと思います。 今回も、市制60周年を踏まえた「おもてなし」(part2)ということで、先ほどDVDの利活用について御質問をいたしました。5月にでき上がり、早速、観光課のほうとしても取り組みが始まっているようで、既にネット上にも流されているようです。福岡のほうへもこれから持っていく予定があるということ、また、市内においても図書館であったり、映せる部分では映していこうという方向のようなお話をお伺いいたしました。 さて、すばらしい観光DVDができ上がったわけですけれども、皆さん、もうごらんの方も結構いらっしゃるかと思いますけれども、市内それぞれに物すごく格好よく映っております。 次のステップになりますけれども、今度は受け入れ側の体制の部分になるかと思いますが、いろんな地域が映像に映っております。その整備状況についてちょっとお尋ねしたいと思いますけれども、これは全部のことをお尋ねするのは時間がかかりますので、ちょっと的を絞ってお尋ねしてみたいと思います。 その中で、DVDの中、やはり焼き物のまちという形で伝わってくるものを感じておりますので、大川内山にターゲットを絞ってちょっとお尋ねしてみたいと思いますけれども、その中の整備状況についてですね、これから検討されるもの、今後早急に対応されるものなどがございましたら、ちょっとお知らせいただけないでしょうか。 ○議長(内山泰宏)  産業部長。 ◎産業部長(深浦弘信)  ただいま大川内山での改修等はどうなっているのかというふうな御質問だと思いますけれども、実は先週の土曜日から、大川内山につきましては風鈴まつりが始まっております。私も行ってみたんですけれども、結構たくさんの方が見えていまして、車のナンバー等を見ますと、福岡県、それから山口県もありましたし、宮崎県とか、結構、他県の車がたくさんありまして、やはり大川内山については他県の方も来られているのかなというふうに考えた次第です。 そういうことから、秘窯の里・大川内山は本市最大の観光名所であることに加えまして、西九州自動車道の延伸、それから、今年11月につきましては日本磁器誕生400周年のプレイベントとして、伝統的工芸品月間国民会議全国大会が佐賀県で開催されるということで、大川内山も物産展の会場等に位置づけられているということで、観光客もふえていくんではないかと期待をしているところです。 そういうふうな中で、議員が御指摘のように、藩窯公園内等の施設については経年劣化が進んでいるということで、一部の施設については十分に機能を果たしていないところもあるというふうなことから、観光客のイメージについて、それから満足の低下になるんじゃないかということで考えております。 このようなことから、今回、今議会で予算づけをお願いいたしておりますけれども、まず、地元の組合のほうからの要望が強かったものとして、展望台からの見晴らしをよくしてほしいというふうなことで、現在、杉が繁茂していまして眺めが遮られております。それから、階段の乗降口部分についても、タイルがはがれているというふうなことから、杉の伐採とタイルの張りかえを行いたいということで考えております。この伐採が終わりましたら、地元のほうとしては桜の苗木を植樹するということで計画されております。 それから、園内の周遊コースを示す陶板の案内表示板につきましても一部はがれているところがあります。これも、張りかえをすることによって機能回復を図りたいということで考えております。 それから、既に既決予算ではありますけれども、陶工の家の隣接地と伊万里・有田焼伝統産業会館の2カ所におきまして、外国人観光客への対応ということで、英語、中国語、韓国語を併記したトイレ案内板を今月末をめどに設置する工事を進めているところです。 ○議長(内山泰宏)  香月議員。 ◆3番(香月孝夫)  いろいろな取り組みがこれから始まるようでございますけれども、ぜひ早急な対応をお願いしたいと思います。 ちょっと話は前後するかもわかりませんけれども、大川内山にたどりつくまでの道のり、道中になりますけれども、今、現地についてはそういった形で整備が進んでいるという形の話を伺いました。お客様が伊万里に足を運ばれるその道中についても、ちょっとお尋ねしてみたいと思いますけれども、西九州自動車道が間もなく伊万里に近づいてくるという状況にありますけれども、そこからの車で来られたお客様などの道中の案内標示など、その辺のところについては何らかの対策は打たれているのでしょうか。 ○議長(内山泰宏)  産業部長。 ◎産業部長(深浦弘信)  大川内山への誘導案内の整備につきましては、ことし3月議会のときにも言いましたけれども、まず、谷口インターチェンジのおり口付近の跨線橋、それから南波多町水留交差点──ちょうど分かれているところですね、それから伊万里ふるさと村に歓迎誘導の看板を設置したところです。本年度は、さらに大川内町平尾交差点付近に、焼き物の里・伊万里をイメージさせる観光広告塔を新設するというふうなことで、この予算につきましても今議会でお願いをいたしているところです。 それから、国道、県道上の施設案内標識看板につきましては、3月議会のときに大川内山キャンプ場の廃止をしたわけですけれども、大川内山キャンプ場という標記がされているところが5カ所ありまして、この分の書きかえというふうなことで、秘窯の里・大川内山というふうなことで標記を変更するということで、所管であります佐賀県に対してお願いしております。今月中には、六仙寺の交差点、それから平尾交差点付近にもあります。その分について、その5カ所について変更していただくということで考えております。 以上です。 ○議長(内山泰宏)  香月議員。 ◆3番(香月孝夫)  そういったところで、道路上の案内標示板なども、これもおもてなしの本当一つであるかと思いますので、また予算との絡みもあるでしょうけれども、可能な限り随時、汚れているものがあればきれいにするとか、また新たに設置するとかを検討していただければと思います。 こちらの部分については、先ほど冒頭で触れました先味の部分と、現状、観光地である大川内山の部分、要は実際に行ってみた味になるかと思いますけれども、中味の部分になろうかと思います。 それから、今回、また戻りますけれども、5月にDVDができまして、どういったところで流れるのかなというところも想像しながら、まずもって、いろんな観光情報が集まる、伊万里駅のところに観光協会というのがありますけれども、ここにはいろんな市内の観光情報が集まり、そして、ここからいろんな観光情報が発信されるというところではないかと思います。 そういった意味で、DVDはどうやって扱われるのかなというところもありましたので、5月の初旬に観光協会を訪ねてみました。訪ねてみて、事務局長のほうに、DVDができたけど、DVDはどうされるんですかというお話をしたわけですけれども、観光協会の中に、昔ながらのブラウン管テレビが天井のコーナーの隅っこのほうに飾ってある状況でございました。 というところで、いろんな観光情報が集まるこの観光協会の現状についてちょっとお尋ねしたいと思いますけど、よろしくお願いいたします。 ○議長(内山泰宏)  産業部長。 ◎産業部長(深浦弘信)  観光協会の現状ですけれども、観光協会につきましては徳永会長を中心に、市民納涼花火大会などのイベントや、それから伊万里の来訪者への案内、それから観光客からの電話照会等をされていると。この前の総会資料によりますと、年間約3万6,000件程度あっているということですから、かなりの観光協会への問い合わせ等があっているんではないかというふうに思っております。 観光協会につきましては、いろいろなイベント等、それから物品販売等もされております。大川内山の窯元市とか、それ以外のイベント等についての物品販売等をされているという状況です。 ○議長(内山泰宏)  香月議員。 ◆3番(香月孝夫)  ちなみに、観光協会さんのほうにはいろんな伊万里市内の商品が置かれていると思いますけれども、おおよその売り上げ推移などがわかりましたらお願いいたします。 ○議長(内山泰宏)  産業部長。 ◎産業部長(深浦弘信)  売り上げ、物品販売の実績というお尋ねですが、平成25年度で1,020万円というふうに聞いております。過去5年間でいきますと、21年度が1,080万円程度、22年度が1,150万円程度、23年度が1,200万円程度、24年度が1,100万円程度ということで、おおむね1,000万円から1,200万円程度の物品販売があっているというふうに伺っております。 ○議長(内山泰宏)  香月議員。 ◆3番(香月孝夫)  おおよそ横ばいで売り上げ的には推移をしているというところですけれども、やはり観光協会さんの、せっかくあそこにいろんなたくさんの商品を置いていますので、そこでいろんな形で購入していただければというところでですね。また、購入された方が伊万里を伝えていただける、本当、宣伝隊的になるんじゃないかなと思いますけれども、先ほどのDVDの映像というのも、非常に大切な部分ではなかろうかなという気がいたします。 私どももいろんな観光地へ行きますと、観光地であったり、その前段の駅周辺に行けば、いろんな形で動く映像が流れております。液晶のディスプレー、デジタルサイネージという形で表現されることもありますけれども、液晶ディスプレーに流れるいろんな映像ですけれども、やっぱりそういった部分があれば、ちょっとそちらのほうに足を延ばして寄ってみようかとか、その地域のものが流れたらちょっと寄ってみようかと、そういった形になるんじゃなかろうかなと思います。 先ほども申しましたけれども、現状、観光協会の中に設置されているモニターというのは、もう本当、旧型の、14型ぐらいのブラウン管のテレビがあるような感じですね。やはり中に設置するんじゃなくて、表面などにですね、そういった形で何らかのディスプレー表示ができるのが望ましいんではないかなと思います。やはりあそこの場所は、いろんな形で365日、人が集まりますので、そういった表示機器の中に伊万里の情報が流れておれば、市民の皆様を初め、伊万里を訪れた方へもいろんな情報が伝わるんじゃないかなと思います。 せっかくですので、イメージをちょっとつくってみたんですけれども、(パネルを示す)こういった形でですね、観光協会さんのガラスの表向きに設置してはどうかという形なんです。表面といいましてもいろんな形で、あそこ、駐車場側、それからバス停側といろいろありましたけれども、私はこちらのほうがいいんじゃないかなと思ったところなんですけれども、それはなぜかというと、郵便ポスト側、要は駐車場側に置きますと、どうしても雨が降ったりしたときには滞留の方が少なくなる可能性がある。やっぱり屋根のあるところであれば、立ちどまって見られる可能性もあるというところもありますし、本当、駅周辺のあの場所というのは、365日、人が滞留する場所でもありますので、こういった映像表示装置などができましたら、本当、より宣伝効果は高くなるんではないかなと思います。これについては予算もかかりますけれども、例えば、庁舎内に眠っているテレビがあったり何かあればですね、そういった部分の検討はできないものかというところでお尋ねしたいと思います。 ○議長(内山泰宏)  産業部長。 ◎産業部長(深浦弘信)  ただいま議員のほうから御提案のDVDの放映につきまして、観光協会とも協議をしております。 先ほどおっしゃられたとおりで、設置箇所、テレビモニターの調達、そういうふうなのが必要です。予算も含めまして、当然、必要な内容を検討することが出てきております。ただ、おっしゃられるとおり、本市の玄関口として、観光客の方が来られたり、買い物をされたりと、それから宿泊の案内等を聞かれたりというふうなことをされているということからいきますと、視覚的に伊万里の魅力を見てもらうことができるものだろうと。そういうことから、観光客へのPR等につながっていくものというふうに考えております。 観光協会から人通りの多い沿道に向けてということの御提案だと思いますが、先ほどから言われておりますように、予算等の問題、それから場所の問題等もあります。観光協会とも内容を検討しながら、放映ができるのかどうかということについては検討していきたいというふうに考えております。 ○議長(内山泰宏)  香月議員。 ◆3番(香月孝夫)  ぜひ設置のほうを強く希望いたします。よろしくお願いいたします。 3月議会でも、防犯・防災ステーション、こちらのほうは前段の地域防災のほうにも係るかと思いますけれども、防犯・防災ステーションというのも総務部のほうで検討されているということもお伺いしております。こちらのほうも、そういった形でモニターがついて、プラス、Wi-Fiのシステムも兼ね備えているシステムのようですけれども、こちらのほうもあわせて、ぜひ早急な設置を検討していただきたいと思います。 今回、2点、御質問いたしましたが、いろんな形でお話が出ていますけれども、防災無線についてもいろんな形で当然広報もされておりますが、議員の間でもいろんな形でお話をお伺いしておりますけれども、やはりこのことは、たくさんの人にいろんな機会を通じて伝える必要があると思いますので、今回質問をいたしました。 あわせて、60周年を踏まえたおもてなし、こちらのほうも非常に、これから60周年という節目、伊万里市のほうに観光客のお客様を呼び込むという形では大切な取り組みであるんではなかろうかなと思いましたので、前回に引き続き「おもてなし」(part2)ということで今回も御質問をいたしました。 最後、結びになりますけれども、最近、「政策は商品」という言葉を耳にする機会がふえました。私も長い間、飲食店に携わった折、商品の開発から提供、そして最後にお客様の笑顔を見るまではという思いで取り組んでおりましたので、最近はいろいろ上がってくる施策について、施策を商品という捉え方をするようになることが多くなりました。やはり市民も満足のいくものは満足、それが行政か民間なのか区別して感じたりはしないのではないかと思います。やはりいい商品はいいんです。いい政策はいいんです。そこには「満足」という2文字があります。 いろんな会社で商品やサービスなどの提供がなされております。業種や業態は違っても、その全ての会社が目指す目標というのは同じではないかと思います。全てのお客様の満足のために、言い方を変えれば全てのお客様の笑顔のために、そのようにして商品の提供や取り組みがなされているわけです。まさに、ここが原点ではないかと思います。 お客様、市民の皆様が笑顔になるためにはという視点に立って、行政の皆様が提供する商品、すなわち政策になるわけですけれども、施策策定のスペシャリストが集まっているわけでございますので、策定に当たっては全てのお客様の笑顔のためにというぐらいの思いを込めて、今後とも取り組んでいただきたいと思います。 市制60周年という節目の年、市長がおっしゃった原点に立ち戻ってという言葉の中には、こういったことも踏まえたスタンスで、新たなステージへ向かうという思いが込められているのではないかと私は思っております。 最後に市長、おもてなしにも通ずる今後の施策への取り組み方のお考えなどを一言お伺いし、質問を終わりたいと思います。 ○議長(内山泰宏)  市長。 ◎市長(塚部芳和) (登壇) 市制60周年の節目を迎えるに当たりまして、先ほど産業部長が御紹介いたしましたように、ことしは観光の追い風になる絶好のタイミングが次々に訪れ、控えているところでございます。このことから、観光振興を図る上で、ここ三、四年が正念場ではないかと、このように私も捉えておりまして、特にそういう意味では福岡都市圏からの誘客に的を絞り、効果的な取り組みを積極的に行ってまいりたいと思っております。 そのようなことから、今議会におきましては、福岡でのテレビコマーシャルの放映とか、あるいは募集型企画旅行に対する助成制度の新設、あるいはまた7月からの福岡の大手ホテルとの連携による伊万里フェアの開催など、なお一層の情報発信の強化、あるいは誘客促進に向けての予算をお願いしておるところでございます。 しかしながら、そういった対外的な取り組みと同時に、観光客の皆様が、伊万里に来てよかった、また来てみたい、訪れてみたいと言われるような、そういう受け入れ体制づくり、いわゆるおもてなしを充実させることも、リピーター客の獲得など観光客の増大につながる要因として重要不可欠であると、このように認識をいたしております。 そういった意味におきましても、私自身は、まず何よりも、ソフト面において市民の方々や団体、企業などの観光振興に対する関心や理解を深め、地域全体の枠組みの中でさまざまな知恵と工夫を出し合って、オール伊万里で取り組んでいくことが重要であると、このように思っております。そういう意味では、受け入れ体制の充実、これは大きく充実、発展をさせていかなければならない、こういうふうに思っております。そういう意味では、先ほど香月議員言われるように、まさに顧客満足度の向上、こういうふうなことを目指して、施策のさまざまな展開を行ってまいりたいと、このように思っております。 このようなことから、観光に携わるさまざまな立場の人、例えばタクシー業界あたりの人も含めてですね、そういう人たちが一堂に会し、観光振興にかかわる意見交換、あるいはまた情報交換、こういうものを設けていく、そういう場を私はつくっていきたいと、このように考えておりまして、お互い連携を図りながら、点と点がつながり、それが大きな面となるような、そういうふうな伊万里市の観光振興を図ってまいりたいと、このように考えております。 ○議長(内山泰宏)  香月議員。 ◆3番(香月孝夫)  新しいステージへ行くに当たって、オール伊万里で行けるような、また新たな施策をよろしくお願いいたします。 以上で質問を終わります。 ○議長(内山泰宏)  ここでしばらく休憩いたします。               (午前11時45分 休憩)               (午後1時   再開) ○議長(内山泰宏)  会議を再開いたします。 引き続き、一般市政に対する質問を行います。17番樋渡議員。 ◆17番(樋渡雅純) (登壇) 早速ですけれども、通告書に従いまして一般質問を行いたいと思います。 今回、2点上げております。 まず1点目、福祉緊急通報システムの運用についてであります。 このシステム、本市におきましては1991年より事業開始をされ、現在23年ほどたっております。ひとり暮らしの方、また障害者の方々に対し、生活の不安を解消し、生活の安全を確保する目的で設置されたものであります。全国的には1988年より全国自治体に普及をしております。この委託先も、専門業者、また警備会社、あるいは消防署、在宅介護センター等々さまざまであります。また、その附帯サービスについても、機器の更新もあり、今日まで充実されてきております。本市の場合、長年にわたり、これまで伊万里市情報センターにより運営をされてきておりました。大変に感謝を申し上げたいと思っております。 今回4月より、その委託先も含め内容も変わったと思いますので、再確認する意味で、まず利用状況の推移、それから独居世帯が、今日、また将来、急増化にある中に、その利用は毎年、若干減少をしてきております。これは本当に喜ぶべきことなのか、また反対に周知が足らないのか、またあるいは利便性を感じてもらえないのか、なかなかそこら辺がどうなのかということも、私もとまどっておりますので、市としてその減少の要因はどういうふうに考えておられるのか、まず伺いたいと思います。 それから2点目、教育行政についてということを上げております。 この中では4項目について伺っていきますけれども、1つは、木造建物(学校施設)の耐震化、それから通学路の安全確保、小中一貫教育、それからデイジー教科書の活用ということを上げております。 まず、1項目めの木造校舎(学校施設)の耐震化ということから始めたいと思います。 学校施設の耐震化については、文科省も平成27年度までの早い時期に耐震化完了を目指すという目標を掲げております。本市においても早急に取り組むべき課題の一つでありまして、平成20年時点で耐震化率も48.8%でしたけれども、26年度4月時点では78%の耐震化が完了し、来年度、27年度までには何とか90.4%まで進む見込みが出されており、大変財政が厳しい中での取り組みには感謝しているところであります。 これまで耐震に関しましては、非木造にだけ注目していたわけですけれども、この前、状況調査の全国的な結果を見ますと、全国的にも木造建物の耐震化率が85.9%と出ておりました。ということは、本市においても当然、木造校舎の数、耐震性のありやなしやについては、市としても国、県にも報告し、その状況については把握をされていたのではないかと思いますけれども、これまでこの木造に関しては、明解な基準、対象に入っていない等の説明があっていたように私は感じておりましたので、なかなか突っ込んだ議論ができておりませんでした。報告、説明はこれまであっていないんじゃないかなと思っております。 そこで、まず最初に、伊万里市の木造校舎の現状、どういう状況にあるのかの説明をお願いして、1回目の質問といたします。 ○議長(内山泰宏)  市民部長。 ◎市民部長(井関勝志) (登壇) 樋渡議員、1点目、福祉緊急通報システムの利用状況及び利用者が減少している要点と対策について答弁させていただきます。 まず、伊万里市が行っております福祉緊急通報システム運用事業におきましては、対象者を所得税が非課税世帯であるひとり暮らしの高齢者等で、慢性の病気があるなど日常生活を行う上で常時注意を要する等の要件を満たす方と定めておりまして、利用者数は、平成24年度は65人、平成25年度は61人、平成26年5月末現在で45人となっております。 利用者が年々減少いたしておりますが、その理由といたしましては、利用されていた方が施設への入所や長期入院、同居により、対象者の条件に該当されなくなったり、携帯電話の普及など当該福祉緊急通報システム以外の手段で対応できるようになられたこと、また、対象者をひとり暮らしであることに限定したことや、通報があった際に、安否確認を行っていただきます近隣住民協力員を確保することが利用開始の条件であったことが新規加入者を抑制していた要因と考えられます。 この新規加入の妨げとなっている点につきましては、平成26年4月1日付で実施要綱を改正いたしまして、対象者につきましては、ひとり暮らし以外でも高齢を要する場合は対応できるよう緩和するとともに、利用開始時の近隣協力員の確保につきましては、これを要しないで対応できるようにいたしたところでございます。 また、福祉緊急通報システム運用事業の周知につきましては、介護保険活用ガイドへの掲載を初め、高齢福祉サービス紹介のチラシにも記載し、65歳に到達された方に対しまして、介護保険証と同時に送付しているところでございます。 福祉緊急通報システムの運用により、急病などの緊急事態に陥ったときに容易に助けを呼ぶことができる環境を整えることが、高齢者の生活支援の充実につながりますので、今後さらに事業の周知に努めてまいりたいと、このように考えております。 以上でございます。 ○議長(内山泰宏)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也) (登壇) 議員御質問の2点目、本市の木造校舎の現状につきましてお答えさせていただきます。 現在、小・中学校24校のうち、木造校舎の教室を使用しております学校は5校ございます。学校別に棟数を申し上げますと、波多津小学校で2棟、大川小学校で1棟、東山代小学校で1棟、南波多中学校で3棟、滝野中学校で2棟の計9棟でございます。全て平家建ての建物でございます。 以上でございます。 ○議長(内山泰宏)  樋渡議員。 ◆17番(樋渡雅純)  それでは、よろしくお願いします。 それでは、まず最初に、緊急通報システムの運用についてということで伺いたいと思います。 先ほどいろんな減った分析なんかもされましたけれども、私はそれ以上に、やっぱり独居世帯の方のふえ方が多いんじゃないかなと思うんですけれども、なかなか周知の方法もね、今度新しくなったわけですので、それはもうしっかりやっていただきたいと思っております。先ほどもチラシ云々の話もありましたけれども、今回、変わったわけですけれども、サービス内容も変わっているわけですよね。そこで、2カ月ちょっとしかたっていませんけれども、これまで具体的な形でそういった形がされてきたのかですね、この2カ月半。それもちょっと気になるところであります。 で、サービス内容も変わっているわけですけれども、私は情報センターのこれまでの運営に関しては、いろんな提案もしてきたわけですけれども、今回、警備会社に移ったという結果を知ったわけです。私はある意味、より専門的な業者ということで評価したいと思いますけれども、そこに決まった経緯を簡単にお尋ねします。 ○議長(内山泰宏)  市民部長。 ◎市民部長(井関勝志)  運用先が変わった経緯という御質問だったかと思いますけれども、この通報システムの運用先が変更となった経緯につきましては、平成26年4月に伊万里・有田消防組合が発足することに伴い、これまで利用者からの緊急通報時に伊万里消防本部に自動的にファクス送信されていた本システムのあり方について、当時の伊万里消防本部と事前に協議を行ったところ、新しい消防広域化後において、伊万里市のみを特別的に取り扱うということは問題もあるということで、事業実施方法を見直すことにしたものでございます。 また、現行の事業実施体制につきましても、緊急時の駆けつけ対応など改善すべき課題もありましたので、他自治体の同事業の実施状況の調査検討を行いまして、緊急通報システム運用の実績がある事業所へ委託を行うこととしまして、平成26年3月末の競争入札により、佐賀綜合警備保障株式会社アルソックに決定したものであります。 ○議長(内山泰宏)  樋渡議員。 ◆17番(樋渡雅純)  わかりました。今まで伊万里市だけがそういう対応で、今回、組合ということで、有田も含まれたから、それが一つのきっかけになったということだと思います。 この緊急通報システムの方式については、大きく2つあります。1つは、その利用を緊急時にだけに特化して限定して行っていく。例えば、あるところでは消防署に直結して、消防署が真っすぐ駆けつけるというやり方をとっているところもありますし、またもう1つは、通報機器を最大限に生かすということで、このシステムを高齢者の不安の解消、日常生活の一部として、緊急時だけに限定しないという、そういう大きな方向が2つあるわけですね。 今回は、緊急時だけに限定しないという意味では、専門業者、それから警備会社、あといろんな介護施設とかですね、そういった社会福祉協議会あたりがかかわってくるものもありますけれども、そっちの部類に入るんじゃないかなと思って、私はある意味、警備会社でもいいのかなと思っております。 これまでは消防署に通報が行っていたわけですけれども、やっぱり誤報が相当多かったということもありますし、そこら辺がいろんな課題でもあったんじゃないかなと思います。警備会社ということであれば、緊急時のそういった対応に対しても専門的なものが生かされるのじゃないかなということで、評価はしているんですけれども、ある意味、先ほども話がありましたように協力員の確保が難しいということで、警備会社になればですね、協力員との関係が切られて、真っすぐ本人と警備会社との関係性になってしまうんですけれども、いわゆる高齢者の支援という意味では、独居にしても地域とのかかわりというのが求められていますよね。ある意味、地域で見守っていくと、その人の状況を知っていくと。そういう面では、地域とのかかわりというのがそこで切られてしまうんじゃないかなという懸念もあるんですね。それは今後の課題にしていきたいなと思っております。 今回、契約が新たになされて、前回と今回、これから業務内容としては、具体的な形でどういうふうな形で変わったのか、委託料等もあるとは思いますけれども、それも含めてお願いします。 ○議長(内山泰宏)  市民部長。 ◎市民部長(井関勝志)  今回、前回の業務内容とどういった点が変わったのかという点についての御質問であったかと思いますけれども、まず、業務内容として変更した点につきましては、従来では、利用者からの通報を受信した際、受託業者──情報センターが利用者に確認の連絡を入れ、連絡がつかない場合や緊急事態の確認をした場合は、直ちに消防署へ出動を依頼するとともに、地域協力員へ訪問による確認をお願いしていたところでございます。このため、協力員からはいつ通報があるのかがわからなく、家をあけにくいという声が課題となっておりました。 しかし、平成26年度以降は、受託業者のガードマンにより、市内において24時間待機する体制が確立されておりまして、近隣の協力員による訪問に頼らずに駆けつけることができる内容となっております。 さらに今回、3カ月に1回の訪問により、定期的な安否確認を行うことも追加しているところでございます。 料金につきましては、まず平成25年までの費用は、受託者への委託料が1件一月当たり税別1,850円で、26年度は1件一月当たり税別の1,490円と、これまでと比べて安くなっております。 また、平成25年度までは市がシステム装置を所有し、利用者に貸与するとともに、電池交換など装置の保守にかかる費用が別途生じておりましたが、平成26年度以降は受託者が所有します装置を使用することとし、先ほどの委託料はこの使用料と保守費用を含んだ額となっております。 以上でございます。 ○議長(内山泰宏)  樋渡議員。 ◆17番(樋渡雅純)  契約の金額もさることながら、なかなか低価格でよく契約できたなと思っていますけれども、これはよかったんじゃないかなと思っています。 中身については、先ほどそういう話がありましたけれども、私その警備会社のパンフレットを持っているんですけれども、ここに基本的なサービスということで3つあります。これは、ボタンが押された場合はボタン一つで駆けつけるということですね。それから2つ目に、自宅からいつでも相談できるという機能があります。これはある意味、機器の中に相談機能のあれが入りますから、それを24時間利用できると。それから3番目は、救急情報が登録できると。要するに、万が一、救急車等に引き渡すときには、本人さんの基本的なそういう病気関係の情報をお渡ししてスムーズに対応してもらうと。 そういう基本のサービスがあるんですけれども、これはほかの人との契約もされていると思いますので、その基本的なサービスかなと思いますけれども、この基本的な3つのサービスは、今回、伊万里市でもこの緊急通報システムの中にしっかり取り入れられているというふうに理解していいですか。 ○議長(内山泰宏)  市民部長。 ◎市民部長(井関勝志)  今回、伊万里市が運用することとしておりますシステムにつきましては、先ほど議員が御紹介いただきました通報時の駆けつけ対応、相談通話、救急情報の登録の基本サービス、これに加えまして、室内専用ではございますが、携帯可能なペンダント型通報装置、これを追加配備することとしております。 以上でございます。
    ○議長(内山泰宏)  樋渡議員。 ◆17番(樋渡雅純)  そういう面では、やっぱり非常に垣根が低くなったというか、不安の解消に大きな力を発揮していってもらいたいというふうに期待しております。 それからもう1つ、委託先の体制ということで伺いますけれども、当然、通報時には佐賀の本社のほうで、そういったセンターで集中管理されると思います。伊万里市の営業所におかれましては、事務所も置かれてあり、その事務所から出動するという形になると思いますけれども、実質、実働は1人だと思います。ということは、24時間体制でいらっしゃると思いますけれども、2人で24時間対応されていると思いますけれども、うちのシステムだけを気にしてということじゃないと思うんですよね。ほかにも業務を抱えながらの仕事だと思いますけれども、実質1人しかいないと、そういう中で、そういった緊急時の出動体制がしっかり対応できるのかどうか、この点についていかがでしょうか。 ○議長(内山泰宏)  市民部長。 ◎市民部長(井関勝志)  委託業者の体制ということの御質問でございますけれども、受託業者である佐賀綜合警備保障株式会社アルソックにおきましては、まず、佐賀にある受信センターで利用者からの通報を受信し、伊万里市内において24時間体制で待機しているガードマンに連絡を行い、すぐに駆けつけることを基本としております。 職員体制としましては、24時間常駐するガードマンのみではなく、営業職、技術職についても警備員登録をされており、同時に複数の通報があった場合や市境等においては、隣接する営業エリアからも応援出動をし、確実に通報元へ駆けつけるサポート体制を整えられていることを確認しております。 ○議長(内山泰宏)  樋渡議員。 ◆17番(樋渡雅純)  はい、わかりました。しばらく見守っていきたいと思います。また、よろしくお願いしておきます。 それでは、2番目の項目の教育行政についてということで伺っていきます。4項目上げております。 先ほどは、市内の小・中学校の木造の状況ということを説明していただきました。小・中合わせて全部で9棟と、全て平家ということの話がありました。 もう少し具体的な形でお知らせしてもらいたいんですけれども、数字的なもので結構なんですけれども、今回いろんな報告、県に報告されていると思います、木造校舎の耐震化云々ということはですね。そういうふうな形で報告されていると思いますけれども、これまで木造校舎においては、私も突っ込んだ質問はできなかったんですけれども。説明もですね、執行部からあえてこの木造校舎の耐震については私としても受けていないわけですけれども、なかなかそのときは耐震診断の判断の基準とか明確な方法がないとか、そういう理由があったかなと思うんですよね。伊万里市としては、この木造の耐震化についてはどのように、基準というか、対応というのを考えておられたのかということを、まず伺いたいと思いますけど。木造の耐震化についての対応ですね、市の考え方、どのようなものを持ってあったのかなということで。 ○議長(内山泰宏)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  木造校舎の耐震化に向けての市の考え方でございますが、まずもって、その耐震診断等の状況から御説明をさせていただきたいと思います。 この木造校舎の耐震診断につきましては、議員がおっしゃるように数年前まで全国で手つかずの状況にございました。その理由としましては、木造建物の診断方法のマニュアルが定まっていなかったということ、そのほか、木造建物の耐震診断ができる設計事務所が少なかったこと、それに、木造の耐震判定ができる判定委員会が少ないことなどがその背景にあるようでございます。 このような状況を踏まえまして、国が主導で木造建物の耐震診断ができる建築士事務所や、その耐震判定ができる判定委員会を確保いたしまして、木造住宅用の耐震診断マニュアルを用いるというような方法で耐震診断が始まってきたところでございます。 このようなことで、学校施設につきましては児童・生徒が1日の大半を過ごすという大事な場でございますし、地震などの災害時には応急避難場所としての役割を担うことになりますので、その安全性の確保は伊万里市においても特に重要だと考えております。 現在、本市におきましては、地震時に比較的被害が大きくなると予測されます非木造、鉄筋コンクリートづくりや鉄骨造の建物の耐震化を優先的に行っているところでございますが、この木造校舎の耐震化につきましても、全国の耐震化の動向、まだ全国平均で24.2%(134ページで訂正)のような状況でございますので、その動向を踏まえまして、国の指導なども鑑みながら、今後の生徒数の推移、将来の統合なども踏まえて、早く耐震化が図られるように努めてまいりたいと考えておるところでございます。 ○議長(内山泰宏)  樋渡議員。 ◆17番(樋渡雅純)  わかりました。 私の木造建物の耐震化率は、全国で85.9%という資料なんですけれども、これは昭和56年以降も多分入ってのことかなとは思うんですけれども、若干その数値がですね、先ほどの答弁では二十何%ということで違いますので、そこら辺はちょっと確認をしたいと思います。 当然、これまでできなかった理由も上げていただいております。特に木造建物に関しては、500平米以上は県、国のほうに報告するような形になっていると思います。500平米以上、県内に大体23棟あるというふうに伺っていますけれども、伊万里市はそのうち2棟が500平米を超していまして、1棟は四百四、五十平米ですね、ほとんど3棟があるんじゃないかなと思いますけれども、これももう手つかずということで、佐賀県においてはこの伊万里市の3棟だけが浮いているような状況じゃないかなと思っております。500平米未満も含めると9棟ということで、非常に数的にも県内他市の状況と比べてみても、伊万里市が持つ木造校舎の9棟というのは相当多いんじゃないかなと思っております。 先ほど9棟、学校別に数を紹介されましたけれども、大体どのくらい年数がたっているのかなと思ったんですけど、一番新しいやつでも52年ですね。だから、52年から66年たっているわけですね。当然その間には、いろんな改修とか補修とかはされていると思いますけれども、そういう状況で現在残っているというふうに感じております。 これについては、普通の倉庫とかなんとかということじゃなくて、先ほども話がありましたように、教室として、また、いろんな各種、理科室云々、特別教室としても使われていますけれども、もうほとんど半分はそこにいるという、そこで生活しているという状況もあるんじゃないかなと思いますので、これに関しては本当に、伊万里市としては、27年度は非木造に関しては一つの目安がつくような流れになっていますけれども、この木造校舎に関しては手つかず、シロアリでやられているところもあるかもわからないし、構造的にはわかりませんけれども、やっぱり何らかの点検はまずするべきじゃないかなと思います。今後の木造校舎の対応についての考え方、もう一回お願いします。 ○議長(内山泰宏)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  済みません。私、先ほどの答弁の中で、ちょっと修正をさせていただきたいと思います。 議員の御指摘のありました数値とかけ離れた回答を私がいたしましたが、私が言いました24.2%といいますのは25年4月現在のデータでございますが、耐震補強が必要な建物の割合でございましたので、逆のような回答をしてしまいました。申しわけございません。 今後の対応でございますが、先ほど申し上げましたように木造校舎、議員お調べいただいたように相当古いものがございます。滝野中学校、南波多中学校には相当古いのがございまして、いずれも平家ではございますが、今後ここら辺の建物の統合の予定も立てていく必要がございますので、そのような中で、そういった統合を含めて古いものから耐震化に向けて努めてまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(内山泰宏)  樋渡議員。 ◆17番(樋渡雅純)  それは今後の大きな課題として出てきましたので、しっかり検討も含めてよろしくお願いしたいと思います。 次に、2番目の通学路の安全確保についてということで伺っていきます。 このことに関しましては、昨年、文部科学省、それから国土交通省及び警察庁合同で、各自治体に通学路の緊急点検の要請がありまして、本市におきましても早速、学校、警察、道路管理者、教育委員会の四者による通学路の安全対策の協議を行っていただいております。 また、事務局として大変な負担も教育委員会のほうにはかけているんじゃないかなと思っておりますけれども、さらに状況把握に基づいたそういった現地調査をして、可能なところから安全対策を進めてこられていると思っております。 そこで、この1年間の簡単な安全対策の状況について伺います。 ○議長(内山泰宏)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  議員のお話の伊万里市通学路安全対策連絡協議会でございますが、今年度、第1回の会議を先日実施したところでございます。そのような中で、平成25年度1年間の通学路の安全対策の状況につきましてお答えさせていただきます。 25年度の安全対策につきましては、主に道路管理者、警察、こういったところで対策を講じていただいておりますが、その対策の箇所は、学校から報告を受けた危険箇所について講じていただいております。 25年度には、各学校でそれぞれ調査をいたしまして、8月までにその結果を報告してもらっておりますが、そこで報告がございました危険箇所は全部で新たに12カ所でございました。この報告を受けました12カ所の危険箇所につきまして、学校、警察、県、市の道路管理者、教育委員会、それに加えて、通学路安全アドバイザーといたしまして技術者の方にも立ち会っていただいて合同点検を実施しまして、その上で対策を検討していったところでございます。 その対策でございますが、報告のありました危険箇所12カ所のうち、7カ所については既に対策を講じていただいております。残る5カ所につきましては、そのうち1カ所が今年度中に対策を講じるということをお示ししていただいております。4カ所が現在まだ検討中という連絡を受けているところです。 その中身の例をいいますと、1つは立花小学校の通学路に歩道と車道とを区別する白い外側線がない箇所がございまして、接触事故を起こすというような危険もございましたので、この外側線を引いていただきました。 そのほか、二里小学校の通学路では歩道が狭くなっている箇所がございましたので、傘を差して登校するときなどにトラックに接触するという危険もございましたので、道路と車道の間にポールコーンを立てていただいた、こういった事例でございます。 このように、まず対策が比較的容易なものから順に対策を講じていただいているところでございます。 以上でございます。 ○議長(内山泰宏)  樋渡議員。 ◆17番(樋渡雅純)  私は、大きなお金をかけずとも、やっぱり身近なところで保護者なり生徒が危険だなと思うところが確実に一つ一つ前に進んでいるという状況が今後も必要かなと思っておりますので、引き続き協議、点検をお願いしたいと思っております。 伊万里市におきましては、学校別にそこら辺の対策箇所等もホームページのほうにしっかり載せていただいていますので、さらに更新も含めてお願いをしたいと思っております。 それから、教育委員会のほうには、取りまとめとしての、調整役としての役割というのを持っていただいていますけれども、この1年間、初めてのことだと思いますけれども、何かここのところを改善したらもう少しスムーズにいくのかなというような、そういう何か気づきがありましたら示していただきたいと思います。 ○議長(内山泰宏)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  うまくいく気づきというと──この学校、警察、道路管理者、教育委員会による連携の対策の課題というようなことでお答えをさせていただきたいと思います。 昨年から、議員おっしゃるように学校、警察、道路管理者と連携を図って合同点検を実施して、その結果に基づいて会議を開催して対策を検討してきたところでございます。 点検や検討の過程におきまして、少し課題が出ております。その1つとしましては、この四者での合同点検を計画して、当日、現地で確認しようというときに急な用務が入る、特に警察のほうはそういうことが多うございまして、四者がそろっての現地確認、合同点検ができないという場合がございました。そういうことで、現場の危険な状況の情報をひとしく共有することができなかったという点がございます。 その後、四者がまた集まるということがなかなか難しいものですから、対策の検討がおくれるというような影響につながることも考えられましたので、今後は、参加できなかった部署と教育委員会とで再度の合同点検を行うというようなことを検討していかなければいけないと思っております。 ほかにもう1つ、合同点検後の対策情報の共有の課題がございます。学校としましては、点検を四者合同で実施して、その上で道路管理者や警察の方から直接に対策案を聞くということができますので、非常に安心感がございます。そして、その情報を聞いて、ほかの教職員にも情報を共有し、さらには地元の心配のお声もありますので、PTAや地元の役員にも伝えているというような現状がございます。ところが、実際には、対策をとる部署では予算の面、関係者との調整などがございますので、そうすぐに対策が講じられるというものではございません。そこで、今度は逆に学校や地元が、まだできないのかと不安になってしまうという事例がございました。 この点につきましては、合同点検により立てられた対策案ばかりでなく、その対策の実施時期、こういったものも含めて確認をさせていただいて、それぞれに教育委員会事務局で伝えていく必要があるなと感じているところでございます。 以上でございます。 ○議長(内山泰宏)  樋渡議員。 ◆17番(樋渡雅純)  そうですね、具体的な形で説明してもらいました。 私もこの危険箇所の把握は、本来は学校側が一番先に、通学路というのがついていますからですね、把握すべきものと思っておりますけれども、先ほど第1回の点検がもうあったというような話がありましたけれども、要するに、学校側と地元の意識の違いもありますけれども、地元としてもいろんな道路関係の要望は行っているわけですね。それは時期的に5月とか6月の早い時期にしているところは、当然、道路管理者のほうも把握できて、それを教育委員会のほうにお知らせするということができると思いますけれども、やっぱり7月、8月、また途中で、地元のほうから道路の改良という形で要望があったときには、学校がちょっと置かれてしまう、地元と学校との連絡というのがなかなかとりにくいという状況があるんじゃないかなと思います。 地元の方も、道路の改良、改修に関しては、通学路であってでも一々学校のほうに声をかけるというのはなかなかあっていないんじゃないかなと思いますけれども、まずは地元と学校の間で、通学路という観点がありますので、その点に関しては、時期が5月であろうが、8月であろうが、9月であろうが、そこのところの情報共有をしっかり持っていってもらいたいと思っております。その答弁らしきものは、先ほどの話の中にあったのかなと思いますけれども、よろしくお願いしたいと思います。──何か答弁ありますかね、ないですか。(発言する者あり)いいです、いいです。 それから、最後になりますけれども、通学路の安全対策の重要性、やっぱり一番大事なのは財源ということでしょうけれども、これは本当に、去年からというか、集中支援として防災・安全交付金をしっかりつくってあるわけですね。これを財源的にしっかり活用して、有効にとられているのかなというのがあります。確認する意味でですね、この財源確保についてしっかり対応しているという、そこのところを示していただければと思いますけど。 ○議長(内山泰宏)  建設部長。 ◎建設部長(北野稔)  市道関係の通学路の安全確保に対します事業等について報告させていただきます。 市道の通学路整備につきましては、全国的に通学児童、学生が巻き込まれる交通事故が多発していることを受けまして、国においては重点的な予算配分が行われております。 本市でも、国の防災・安全交付金を活用いたしまして、現在、交通安全施設整備事業において、通学路の歩道設置など市道八谷搦海岸通線、あるいは提川川西線、畑津辻弁賀線の3路線を現在取り組んでおります。そのほかにも、市単独事業におきまして、地区交通対策協議会や通学路合同点検などによる要望や御意見に対応して整備を行っているところでございます。 以上です。 ○議長(内山泰宏)  樋渡議員。 ◆17番(樋渡雅純)  わかりました。しっかり財源のほうの確保もよろしくお願いしたいと思います。 それでは次に、小中一貫教育についてということで伺います。 これはこれまでも、小中一貫の教育、また建設に関しては質問があったと思いますけれども、今回、私が初めてしますもので、若干ダブる面があるかもしれませんけれども、よろしくお願いしたいと思います。 この4月より、南波多小中学校が長年にわたる小・中の連携を踏まえた上で、校舎隣接型による小中一貫校がスタートしております。その狙いは、詳しく何回もこれまで話があったように、9年間を通しての知・徳・体の充実、それから中1ギャップを軽減する、基礎基本をしっかり築く、こういうのが挙げられております。小中一貫教育における9年間のくくりというのは、どういうくくりにするかというのは、やっぱり一貫教育の中で非常に大きな要素を占めるんじゃないかなと思っております。 県内の小中一貫校があるわけですけれども、そこにおける9年間のくくり方、どういうふうな現状になっているのか、まずお尋ねをいたします。 ○議長(内山泰宏)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  県内の小中一貫校におけます9年間のくくり方の現状についてでございますが、現在、佐賀県内で小中一貫校として取り組んでいる学校は13校ございます。そのうち、校舎一体型の学校が7校、校舎隣接型の学校が6校という現状でございます。 小学校、中学校を通じた9年間をどういうまとまりにして区分するかという、くくり方でございますが、県内の小中一貫校では、校舎一体型の学校7校のうち、中学校をまたがない4・2・3制をとっている学校が1校、中学校をまたぐということになります4・3・2制をとっている学校が6校という現状でございます。また一方、校舎隣接型の学校では、6校のうち中学校をまたがない4・2・3制をとっている学校が4校、中学校をまたぐ4・3・2制をとっている学校が2校という現状となっております。 以上でございます。 ○議長(内山泰宏)  樋渡議員。 ◆17番(樋渡雅純)  それぞれ分かれているということですね。一体型の場合は、そういった中学校をまたがないのが多いというふうな説明でありました。 今回、南波多小中一貫校は、ある意味、隣接型になっております。ということで、現在は4・2・3制、いわゆる基礎期、活用期、発展期ということで取り入れてあります。 当初、この小中連携を始めて、また小中一貫の話がある中で、ある意味、小中一貫の特徴というか、メリットとして小学校から中学校への環境の変化を緩和するということもありまして、ストレスを解消するという、いわゆる中1ギャップですね、それへの対応。それから、幅広い年齢の児童・生徒が学校生活をともにすることにより、さまざまな人間関係をつくると、そういったプラス面の話もあったように思いますし、小・中の職員室を同じくすることによる教員同士の意思疎通、また、日常的な小・中生徒の先生同士の情報交換もしやすい。そういった面で、ある意味、小中一貫教育の中における小中一体型のメリットの話もあったかに思っております。 現在、南波多の場合は隣接型ということもありましょうけれども、4・2・3制をとっております。いわゆる小学校課程の6年間、それから中学校課程の3年間のくくりなわけですけれども、当然、なかなか町民にとってと言ったらおかしいんですけれども、なかなかこれまでの違いというのがわかりづらい。小中一貫になったけれども、6カ年と3年間という流れでやっていますので、その違いというか、そのよさが見えてこないなというふうに私自身も思っているわけですけれども、この4・2・3制を取り入れられた大きな主な理由、これについて伺いたいと思います。 ○議長(内山泰宏)  教育長。 ◎教育長(森哲也)  今お尋ねの件につきましてお答え申し上げます。 小中一貫校になった場合のメリットとして、先ほど項目を上げていただきました。こういう項目につきまして、これまでの連携教育から一貫教育になることによって、さらに一歩、深まっていくという考え方で、小・中学校が一貫校としてスタートしたわけです。 その小中一貫校南波多校では、9年間を中学校をまたがない4・2・3制というくくり方で一貫教育を行っておるわけですけれども、これについては、学校としては当初、先ほど御指摘がありましたように、中1ギャップ解消等の理由から、中学校をまたぐ4・3・2制や5・2・2制といったくくり方も考慮しながら話し合いが進められました。しかし、実態として、校舎隣接型という小学校と中学校が離れている立地条件から、小学生と中学生が同じ校舎で学校生活を送っていませんので、中学校をまたぐくくり方よりも、小学校1年生から4年生までを基礎期、小学校5年生から6年生までを活用期、中学校1年生から3年生を発展期と位置づけた一貫教育のほうが、今の現状からするとより効果が上がるという考え方から、4・2・3制での一貫教育にまず取り組んでおられます。 ○議長(内山泰宏)  樋渡議員。 ◆17番(樋渡雅純)  私もある意味、今の4・2・3制をとっているというのは、いわゆる隣接型であるがゆえの一つの形、姿にならざるを得なかったのではないかと思っております。やっぱり本来は連携をして一貫となっての、いわゆる一体型の一貫教育、この本来の姿を目指していらっしゃると思うんですよね。町民もそういう姿を意識して今日を迎えているわけですけれども、そしたら、今後これが一体型になった場合、この4・2・3制というのは、先ほど言われたように5・2・2制とか4・3・2制、こういう形に戻っていくということもあり得るというふうな捉え方でいいんでしょうか。 ○議長(内山泰宏)  教育長。 ◎教育長(森哲也)  中学校をまたがない4・2・3制にしている主な理由が隣接型ということでしたので、校舎が一体型になれば小学生と中学生が同じ校舎で過ごすことになりますので、その状況を見た上で、4・3・2制など中学校をまたぐくくり方で一貫教育を進めていくことになることも十分考えられると思っております。 ○議長(内山泰宏)  樋渡議員。 ◆17番(樋渡雅純)  わかりました。 現在、小中一貫教育がスタートして2カ月ちょっとたちますけれども、中学生の意識、また感情、表情、今まで連携してきた以上にその意識が本当に強くなって、表情が豊かになったという話も聞きますし、本当によかったなと思っておりますけれども、そういった中で、また反対に、隣接ということで、ある意味、近いわけですけれども、しかし、職員の方々には車での移動を余儀なくされている、そういう現状もありますし、なかなか日常的に小・中の先生方の情報交換もスムーズに行えないという課題もあるんじゃないかなと思っております。 それから、先ほど木造の耐震化のほうで話しましたように、個別の学校名を言ってもあれなんですけど、南波多におきましては校舎が4棟あって、そのうち1棟は鉄筋で、Is値が0.9ということで、思った以上にですね、もう四十七、八年たちますけれども、Is値が0.9という診断が出ております。残り3棟は、いわゆる木造建築ということで、築54年、59年、66年、1棟は500平米以上と。体育館も築49年でIs値が0.32ということで、0.3以下はもう即、取り壊しという形になっておりますので、ぎりぎりの建物の状況ですね。そういう状況も片方にはあると思っております。 そういった中での一貫教育を町として目指して、ある意味、今の形になっているわけですけれども、本来は、やっぱり隣接型であるがゆえのそういったくくりじゃなくて、より効果があると言われている中学校をまたぐような教育のあり方を、やっぱり一刻も早く、建設の状況もありますので、それも含めての一体的な建設の必要性をぜひ考えていただきたいと思っております。 これに関しては、3月の市長答弁でもですね、質問におきまして、市長のほうからはさらなる精査をすべきという考え方も示されたわけでありますけれども、私はですね、これまで教育委員会が行っていただいた調査、精査、ざっとしたものであったとは思っていません。それはやっぱり責任を持って、これからの動向を踏まえた形での調査、精査をされたんじゃないかなと思っております。しかしながら、市長の答弁とは若干の食い違いがありますので、今後さらに精査すべきものがあるのかですね、一体的な建設に向けて、小中一貫の一つの伊万里市としての大きなモデルになっていくわけですので、そこら辺、今後もう少し精査すべきものがあるのかどうか、そこら辺の今後の教育委員会の方針をお尋ねしたいと思います。 ○議長(内山泰宏)  教育長。 ◎教育長(森哲也)  ただいまの御質問にお答え申し上げます。 小中一体型の施設整備につきましては、中学校の施設を小学校に移転することを基本にして進めておりますが、具体的な計画につきましては、引き続き詳しく精査、検討を重ねていきたいと考えております。 現時点では、児童・生徒数の推移、小中一貫教育を一体型校舎で行っている学校の先進地視察や、確実な財源確保のための学校施設整備の補助制度の調査などを考えております。 今回、小中一貫教育はスタートしたわけですが、施設整備もできるだけ早く着手できることが望ましいことは認識しております。人口減少や財政事情など諸般の状況を鑑みて、最低限必要な施設をどこまで絞り込むのかということを慎重に協議していかなければなりません。 今後は、先ほど申しました児童・生徒数の推移や、現在の施設の収容能力を見きわめて、市長部局との協議、並行して地域の皆さんとの協議を重ね、引き続き精査、検討をしていきたいと考えております。 ○議長(内山泰宏)  樋渡議員。 ◆17番(樋渡雅純)  ぜひお願いするわけですけれども、より大きな、豪華な設備云々というのは、これはもうこの時代、望んでいないと思います。それよりも、やっぱり先ほども言いましたような築60年前後する木造校舎の中で学習していると。それを何とか変えたいというか、そういう思いが強いので、ぜひ頑張ってもらいたいと思います。 それでは、3番目のデイジー教科書の活用ということで伺います。 これは、今議会でも予算計上されていますように、これからの教育内容の充実には電子黒板、パソコンなどのICTの活用をすることによって、本当にわかりやすい学習指導が求められてきます。片方で、同時に、いろんな発達障害やその他の文字を認識することが苦手な児童・生徒さんもいらっしゃるわけで、そういう児童・生徒にとっては、このICTの利活用というのは学習支援に大きくプラスに働くということも言われております。 このデイジー教科書、本当に横文字で申しわけないんですけれども、私も2年ぐらい前に知ったんですけれども、いわゆるデイジー教科書というのは、教科書の内容をデジタル化し、パソコンで音声再生と文字の拡大表示などを同時に行うことができるものと、学習意欲につなげる効果があると、そういう検証も正式にあっております。また、特別支援教育や保護者の間でもその利用が少しずつ今広がっています。 平成20年に、いわゆる教科書バリアフリー法と言われものが施行されまして、それをきっかけに、いろんな検定の教科書、いわゆるデイジー版教科書として活用できるようになったということが大きなきっかけで今日に至っているというふうな認識なんですけれども、このデイジー教科書についての見解というんですかね、全国的な動き、どういうふうに感じておられるのか、伺いたいと思います。 ○議長(内山泰宏)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  デイジー教科書に対します教育委員会の見解ということでお答えさせていただきます。 伊万里市内でも、読むことが困難な児童・生徒が各学校にいる可能性がございますが、その調査は行ってはおりません。ですが、実際に、家庭学習においてデイジー教科書を活用している子どもがおるということを聞いております。その子は、一字一字を目で追うのが精いっぱいで、文字を読んでの内容理解が難しい状況にあるそうです。デイジー教科書のよさである本人の聞き取りやすい速さで音声が出せるということ、あるいは見やすい書体、文字の大きさにできるということ、それから縦書き、横書きを変えることができるということなどの利点から、内容の理解が高まっているということを聞いているところでございます。 このように、デイジー教科書は読むことが困難な児童・生徒にとってはとても有効な支援になることがわかります。しかしながら、伊万里市内の学校関係者の中で、このデイジー教科書の認知度があるとは決して言える状況にまだございません。ただ、学校教育の中では、子どもたちの特性に応じた個別の支援の必要性が叫ばれている現状もございまして、このデイジー教科書の活用につきましては、今後、県の教育委員会などとも一緒になって検討していく必要があるものと考えているところでございます。 ○議長(内山泰宏)  樋渡議員。 ◆17番(樋渡雅純)  そうですね。県内の市町でも、もう既に取り組んでおるところもありますし、例えば図書館あたりにそういったのを置いて活用していただくとか、そういう動きも県内でもあっております。 文科省あたりから、今後、学校現場での普及がおくれていることもあって、利用の後押しをするようなお願いというか、通知もあっているのじゃないかと思っております。また、ことしの予算においても、このデイジー教科書に関する普及、開発にも新たに多くの金が織り込まれておりますし、ぜひそういった方向でも──方向というか、教育関係者を対象にした研修なども、これから幅広い形で行われていくんじゃないかなと思っております。 そこでまずは、本市においては特別支援学級も41クラスですか、やっぱりそういった児童・生徒さんも100人ぐらい通われているわけですよね。そういう方たちが、いわゆる電子黒板云々じゃなくて、その子どもたちに合ったような教科書があるわけですから、そういう子どもたちがICTの機器にしっかりかかわって学習意欲が高まるような、そういう視点もしっかり忘れないで取り組んでいただきたいと思っております。 関係者、保護者への周知、それから先生方の研修もですね、今後、本市で行っていってもらいたいと思っていますけれども、お考えはいかがでしょうか。 ○議長(内山泰宏)  教育部長。 ◎教育部長(前田和也)  議員御指摘のように、デイジー教科書の利用を推進することは今後必要になっていくのではないかと思います。そのためには、まず、実際に指導する立場にある教職員などの学校関係者へ、おっしゃるように周知することがまず重要でございます。 学校関係者への周知の方法としましては、例えば毎年5月に行っている教育委員会主催の特別支援教育コーディネーター研修会というのがございますが、このような中で、先生方にデイジー教科書のよさなどを伝えまして、それをまた、それぞれの学校でほかの教員に広めていただいたり、あるいは実際に指導したことのある先生を講師として招いてお話をしていただいたりするというようなことが考えられると思います。また、デイジー教科書を活用するためには保護者の同意も必要になってまいりますので、保護者の皆様への周知啓発を行うことも考慮していかなければなりません。 例えば、各学校で授業参観の後などに行われます教育講演会などの中で、このデイジー教科書を紹介したり、読むことが困難と思われる児童・生徒の保護者との懇談などの場を設けたりして紹介していくことが考えられるところでございます。 以上でございます。(「終わります」と呼ぶ者あり) ○議長(内山泰宏)  ここでしばらく休憩いたします。               (午後2時6分 休憩)               (午後2時20分 再開) ○議長(内山泰宏)  会議を再開いたします。 引き続き、一般市政に対する質問を行います。21番占野議員。 ◆21番(占野秀男) (登壇) お疲れさまです。5人というとは多かですね、やっぱりね。お疲れと思いますが、私は3点ほど質問をしたいと思います。 1つは、都市計画道路の一部計画変更についてお伺いをしたいと思います。2番目に、玄海原発の防災対策についてお伺いをいたします。3番目に、高齢化社会におけるそれぞれの地域での助け合いや支え合い対策についてお伺いをしたいと思います。 まず初めに、都市計画道路の計画変更についてですが、ここでああだこうだと言ってもわかりにくいと思いますので、秘密兵器を用意しております。(パネルを示す)あんまり小そうして見えんというふうに、が、しかし、せっかくつくっていただきましたので、見てください。 これは伊万里市の都市計画道路の概略で、大体ここら辺が瀬戸ですね。それから、ここが黒川のまちの中、これが七ツ島工業団地です。 当初、都市計画道路が計画をされましたのが昭和52年。私が市会議員に初めてなったのが昭和50年ですから、もう40年になります。この道路の計画も、計画をされてから38年、やっと日の目を見ようかというときになって、ここでまた、いろいろ言うのは大変気になるところですが、やはり将来、10年後、20年後の伊万里の道路整備の計画を立ててみたときに、こんな道路計画をなぜあのときしたとやろう、もうちょっとやっぱり考えてせにゃいかんやったなというふうに言えないような計画を今立てるべきではないという観点で、御質問を申し上げたいと思います。 ここでちょっと切れていますが、これからこっち、東のほうは大坪バイパスにつながり、大坪バイパスから松浦バイパスにつながって、その先は国道498号を通って長崎自動車道につながる都市計画道路だった。これがずっと計画ができまして、今、瀬戸の牧島保育園から牧島小学校の手前までは、都市計画路線に従って道路が整備されていますが、途中から昔の道路に合流して瀬戸に行っています。それから、早里のほうにずっと行っています。 牧島小学校がここら辺になります。これから学校のほんの手前のところに橋桁が今できておりますが、あれはこれを通すための橋桁を先行投資でつくった分です。これから行って、本当の計画はこっちに行く計画。で、ここがどこかといいますと、夢みさき公園──あっ、ごめんなさいね、速記者の方が、あっちこっちと言っても、地図ですから書きようがないというふうに言われていますので、どういうふうに説明したらいいか、わかりにくいんですが、その計画の途中に地すべり地帯がございます。ここはもう今までに何十億円ものお金をかけて、地すべりを防止するための事業が行われました。しかし、それでも心配ということで、一時期、この北側、山側を通る道路も計画をしたらどうかという案が出ました。 そして今回、そっちの案よりも、この海岸べたを通る道路のほうがいいんではないかという県のほうの考え方などがありまして、当初、昭和50年にできた都市計画道路がここだけ変更になる──あっ、ここだけはいかんですね、早里から黒川町の入り口ぐらいまでの道路に変更したらどうかという話があって、その先に臨港道路が国のほうで計画をされているから、これにつなげたらどうかということで計画がなされて、話し合いがあったというふうに聞いています。 そこで、今までの経過を簡単に申し述べますと、昭和52年に都市計画道路として決定をされております。当時は黒松線とかいって、黒川松島線とかというふうな言い方をされていましたが、現在は二里黒川線(国道204号バイパス)計画ということに変わっているそうですが、この前の公聴会のときに、その「204号バイパス」というのが削られて「二里黒川線」ということだけ書いてあったそうでございまして、これは今まで説明してきたのと内容が違うじゃないかという指摘があって、急遽、看板をおろされました。私はおくれていきましたので、中身は見ておりませんが、看板は外されたそうです。そういうのが昭和52年に決まっております。 その後、具体的な進展というのはここら辺はありませんでした。黒川町付近はございませんで、手前のほうの、いわゆる長崎自動車道の武雄北方インターにつながる道路の整備が優先してずっと行われてきたというふうに思っております。 その間に、黒塩地区の地すべり対策が行われた。その後、伊万里湾大橋が建設をされまして、山代地区と黒川地区が橋で結ばれるというようになりました。以前は伊万里まで一回来て、さらに黒川、波多津方面に行かなきゃならなかったのが、途中で橋を渡っていけるようになりました。相当の時間短縮にもなっただろうと思いますが、それが実現をいたしました。 その後、国のほうで臨港道路の計画がございました。これは恐らく、七ツ島工業団地に企業がずっと立地をして、ほぼ埋まったような形になった。それだけの企業が来るということになりますと、そこに働く人が当然おるわけで、働いているほとんどの方は自家用車で道路を通行されていると思いますが、これがもう朝晩、物すごい渋滞になって、地元の黒川町では大変困ったことだということで、この渋滞対策を何とかしてもらいたいという話もあったそうで、それを解消するために、町なかを通らんで、いわゆる臨港道路という形で新たに道をつくって、そっちを団地から通って国道204号線につなげていくということで計画をされているようでございます。 そういうことで、これまで地元の要請などもありまして、もう1つは、いわゆる政府の、当時は民主党の政権ではなかったかと思いますが、公共事業抑制の政策が出て、なかなか公共事業に対する予算がつかないという財政事情等もありまして、やはり安くて効果的な道路を計画してつくっていこうということで、この新たな海岸寄りのバイパス計画が具体的になってきたんではないだろうかと思います。 これまで地元の区長会、また瀬戸、牧島地区の区長会、それから北部地区振興協議会などへの説明もあったそうですが、とりあえず重点的には黒川の区長会に5回ほど説明をして、協議をなされて、ほぼこれでよかろうという了解もいただいたということで、海岸寄りの道路に変更する予定で計画書がつくられた。 その計画をつくったのはいいんですが、実は区長さん方の中には、自分の出身の地域に説明をした区長さんもおられましたし、説明をされずに、そういう事情になっているということを御存じない黒川の町民の方もいらっしゃいました。その方々から、ちょっとおかしいよと、いつの間にかこんな話になっているよということが私のところに持ち込まれまして、これはいかんということで、改めて明日の黒川町を考える会というのをつくりまして、そこで土木事務所のほうに公開質問状を出し、それから伊万里市のほうにも公開質問状を出して、いつの間にこういう形になったんだということで協議をいたしました。 その後、土木事務所のほうで住民説明会ということで、黒川町の公民館で説明会がございました。それからさらに半年たって、2度目の説明会が先日ございました。3度目は、それに納得できない方、意見のある方は公聴会に来て意見を言ってくださいということで、800字をめどに原稿を書いていただいて、県のほうに提出してくださいということになりました。 先日それが行われまして、7分間で意見を言うてくださいというふうに言われましたので、こんな大事な問題を7分では話されん、最低でも15分は必要と言いましたら15分に変わりました。だから、言うときにはやっぱり言わにゃいかんですね。県が言うたから、そのとおりしろだけじゃなくて、やっぱり十分意思が伝わらない場合は、これじゃ不満だと、やっぱり時間は十分とるべきだという意見を言わんといかんということでしょう、言いましたら、そしたら15分ということになり、約6人の方が意見を申し述べられました。 そういう経過を踏まえて、私は当初計画をされた都市計画道路を優先しないと、海岸のとに変更すると大きな問題が出てくるというのが幾つかあります。 1つは、国道204号につなげるわけですから、国道204号というのは、黒川の辺は全部、海岸べたですよね。玄海原発が、もし万一、地震があり津波が来たときの想定というのを、大体今7メートルぐらいに想定をされている、最大の津波が。現在は十二、三メートルあるそうですから、とりあえず7メートルの津波は何とか防御できるんではないかというふうに言われていますが、玄海原発を7メートルに想定すると、伊万里の黒川には何メートルで来るだろうかというふうに思っておりました。素人考えで二、三メートルぐらいかなと、高くてですね、最大でそのくらいかなというふうに思っておりましたが、実は東北の地に行きまして現地を見てまいりましたら、奥が小さくなっている海は、こっちでは7メートルの津波が押し寄せて、狭いですから、かさが高くなってきて、15メートル、20メートルという形の高さまで行く場合があるそうです。そうすると、もう黒川町は全滅です。 そういうことを考えると、やっぱりいざというときには避難できる道路というのを別に確保しとかないと、海岸べたの道路を広げても、一時しのぎにはなっても、万が一のときには役に立たない。そういう道路をつくるのに、せっかく新しい道をつくるならば、そういう万が一に備えた道路計画をするというのが本当じゃないかというのが1つ。 もう1つは、バイパスというのは市街地の渋滞をなるだけ少なくするために、車を分散させるために、迂回をしてそこを通ってもらう。極端にいえば、今までは100台通りよったのが、50台・50台になって渋滞の解消につながるというのが、大体のバイパスの目的だそうでございますので、そういう役割も果たす道路をつくらにゃいかん。それを、いわゆる海岸道路に、204号線に合流してしまったら、幾らかは広くなりますので解消できるかと思いますが、バイパス的な役割を果たすことはできない。 もう1つは、このバイパス道路を海岸べたにするのは、実はこの道路計画は波多津まで将来は考えた都市計画道路になっているんですが、今度見直しをされて、海岸べたを通す道路は七ツ島工業団地で終わりなんです。こんな一部だけを考えたような道路計画でいいのか。これから10年後、20年後、やっぱり万が一に備えた高台の道路、それから、新たな道をもう1つつくって渋滞の緩和を図る道路、そういうふうに考えるのが当然ではないだろうかというふうに私は思いまして、ずっと意見を申し上げてまいりました。 そこで、そのことをずっと申し上げてまいりましたが、実は説明会、公聴会、私も参加をさせてもらいましたが、今の海岸寄りの道路は見直すべきではないかという意見がほとんどでした。中には、道をつくるときは少し広目につくってもらいたいとか、今、携帯とかなんとかありますので、少しスペースをとってもらいたいとかという意見もありましたが、総じて、やっぱり今の海岸のほうに計画を変更するのは無理があると、やはり将来を考えると山手にバイパス道路はつくるべきだという意見がほとんどでございました。 そこで、道路というのはそれぞれ目的があるでしょう、高速道路というのは日本国中をつなぐ幹線道路ですよね。そういうのを伊万里につくれと言ってもできないんですが、幸い、西九州自動車道が入ってくるということになりますから、そういう意味での高速道路が伊万里にも入ってくる。国道はやっぱり国が幹線として認めた国の道路。そのほかにも、県道とか市町村道とかいろいろあると思いますが、そういう道路の現在ある渋滞を緩和するためのバイパスが、またあちこちでつくられていますが、やっぱりそれなりの立場で整備をし、利便性とかスピードアップとかというのを図られているんではないだろうかというふうに思っております。 そういうふうに考えますと、都市計画道路としてバイパスを計画しているのに、それを国道につなげて先は行きどまりというようなバイパス計画、道路計画で、果たして将来の伊万里はこれでいいのか。確かに、七ツ島工業団地にとっては新たな道路ができるわけですから、いいんですけれども、黒川の七ツ島工業団地からもっと先の北部のほう、波多津のほう、木場のほう、そういうところの人は今までどおり全く恩恵を受けない。 そういう意味では、やっぱり夢みさき公園の入り口までとりあえず今計画ができていますので、そこまでまずつくって、将来は波多津に延ばしていって、都市間の市街地とそれぞれの地域の都市を結ぶという幹線道路に考えるべきではないだろうかというふうに私は思いましたので、発言をしてきたわけです。 この都市計画道路がもし2つ完成しますれば、山際の当初の計画どおりの道が完成しますれば、国道204号と山際のバイパスが2本できる。そうすると、名村工業団地から臨港道路をつくって国道に結ばれてスムーズな流れになる。一方では、工業団地からずっと上のほうに上って信号がありますよね、国道204号に合流しとるところの上までつなげてバイパスをつくれば、そっちのほうにも行ける車がどんどん出てくるわけです。やっぱり臨港道路でもなんでも新しい道をつくれば、結構そこに車の流れが変わっていくんですよね。だから、そういう意味で渋滞対策にもなる。 一方では、今、伊万里市は玄海原発から30キロ圏ということで緊急避難道路の整備をずっと進められておる。今、計画をされている道路だけでも11路線、三十数億円の計画で、狭い道は広げよう、道を整備していこうということで計画をされておる。それにも合致するわけです。海のほうの道をつくったら、そういうのが合致しません。それは避難のときは使いますからて、それは道があるわけでから使えるのは間違いないです。緊急避難道路として使えるかというと、行きどまりですから、波多津のほうから避難をしてくるときの道路としての役割は果たさない。そうすると、やっぱり2つの道をつくって、渋滞対策にも緊急避難道路にも使える道というのを新しくつくる場合は考えてつくるべきではないのか。 なぜそこまで言うかというと、実は今までずっと海岸寄りの道路にしようというときには東日本大震災が起こっていなかったんです。そういうのはあんまり頭になかったんです。ただ、金がない。だから、2本もつくれない。どっちかにやっぱりせにゃいかんでしょうとかという事情。それから、伊万里湾大橋ができて、あれにつなげたい。それから、地すべり地帯だから、地すべり地帯に道を通すのはどうかなとか、いろいろ課題はあったと思いますが、実は東日本大震災があった前のことですから、東日本大震災の教訓がほとんど生かされていない。 そこを、状況の変化があって山沿いのバイパスをつくる計画が、いろんな事情で海側の道路に変えたならば、その後、起こった東日本大震災の教訓を生かすとすれば、それでいいのかというのをもう一遍、見直す必要があるんじゃないですか。それは見直さないんですか。1回目は状況の変化と言うて計画を見直して、2回目のは東日本大震災の結果、原発事故の結果を受けて、これでいいのかという見直しはしないんですかというふうに申し上げましたが、残念ながら、それに対する答弁はございませんでした。 幾らかは考えとらすと思いますが、この前、四、五日前の新聞を見よりましたら、市民団体が県庁に、玄海原発のプルサーマルはやめてもらいたいという裁判闘争しているグループが持っていったら、ロビーで立ちながら50分挨拶を受けたという新聞記事が載っておりました。その程度なんです、残念ながら。県民のために何かしようとかというんじゃないんです。これはもう強くやっぱり県にもですね、市にもそがん言われんごとしてもらいたいと思いますが、やっぱり県民の声、県民の代表として来ているわけですから、一応応接室で会うのがほんなごっちゃないですか。そればロビーで会うて。50分ですよ、50分。その程度の感覚で行政をやられたんではですね、私どもが幾ら説明会とか公聴会に行って意見を言っても、果たしてどれだけ考えていただいているんだろうかと。市民の声、県民の声というのを本当に受けとめて、そういう声を生かした行政をやっていこうという姿勢にあるんだろうかというのを考えると、もう残念でなりませんでした。そういう問題もあります。 そこで、いろいろ問題がありますが、ぜひ市長のお気持ちをお聞きしたいなということで、1つは、伊万里市全体の道路網の整備として、この都市計画道路はつくられていると思います。これは黒川の一部の地区だけの問題ではなくて、伊万里全体の幹線道路をどう整備するかというのが都市計画道路だと思いますが、それがこういう格好で行きどまりの海岸べた寄りの道路に変更されるということは、果たしていかがなものかというふうに私は思うんですが、市長はどのように受けとめておられますでしょうか。 それから2番目に、先ほども申し上げましたように、道路にはそれぞれの性格があって用途があるわけですが、それを考えると、やっぱりバイパスはバイパスとして計画整備をしていくのが本当ではないかというふうに思うんですが、その点はいかにお考えでしょうか。 それから、バイパスをつくれば、これはもう渋滞対策にも役立ちますし、先ほど申し上げました緊急避難道路としての用途も広がってくるわけですけれども、そういうものについては、私はやっぱり考えるべきだというふうに思いますが、市長はどのようにお考えでしょうか。 それから、せっかく湾岸道路をつくられる計画が出ておりますから、それはそれで生かしていただいて、国道204号は別な形で、今、早里まで道路がずっと広がって歩道も整備をされておりますので、それを延長していってつなげるという考え方でやったほうが、10年後、20年後はやっぱりそれなりの意味があるんではないかなというふうに思いますが、どういうふうにお考えでしょうか、お尋ねをいたします。 それから、市民の声、先ほど申し上げましたように、なかなか意見を言う場はあってもそのことが尊重されない。それで、結局は県が計画したとおりの、予定のとおりの進行にしていくために、結局、我々や、その説明会や公聴会に来て意見を言われた人の気持ちはどうなるのか。聞くだけ聞いて、後は当初の県の計画どおりにやりますなんていうことになると、まさに形だけの公聴会であり意見交換会になってしまうのではないか。それはいかんのではないですかというふうに思うんですが、市長はどのようにお考えか、お伺いをいたします。 次、2番目に、原発の防災計画についてお伺いをいたします。 1つは防災無線があったんですが、これはもう香月議員のほうから質問があり詳しく説明がありましたので、私のほうは省略をさせていただきますが、私が一番心配しとったのは、その整備をするのに8億円の経費がかかるというのが、財源的に大丈夫かなというふうに思っておりましたが、借金と起債と県の交付金で何とか賄っていくということでございますので、これはそういうことでやっていただきたいと思います。 うちの近所にも、私には全然似らんで、いろいろ皮肉っぽく言う方が実はいらっしゃる。その方がおっしゃいますには、伊万里で地震のあっとや、津波の来っとや、原発のどがんかなって放射能が流れてくる危険性のあっとやというふうにおっしゃいます──全部じゃないですよ、中には、そういうふうに8億円ものお金をかけてそれを整備しないと市民は安心できないのか、本当にそれは必要なもんじゃろうかと。例えば、東北のように20年後、30年後にはまた再び来ますよというような、そういう地震地帯であれば、当然これはそれなりの対策をされにゃいかんでしょうが、伊万里で地震というとは、あんまり聞いたことなかばいと。津波も、まあ、あるのは台風とか大雨のときの氾濫が多いんじゃないかというふうにおっしゃる方がいますが、しかし、万が一ということが、ないとは言えないものですから、これはちょっとお金はかかっても、安全・安心のためにはやっぱりしようがないでしょうと、設備をしとったほうが皆さんも安全で暮らせるわけですからということになりましたが、そういう意見もちょっとありました。これはもう財源の関係ですね。しかし、借金と県からの交付金で賄っていくということで、5年間でこの防災無線は全て整備をするということでございますので、安心をしてお願いしたいと思います。 それから2番目に、緊急避難道路の話をしましたが、これは先ほどのバイパス道路との関連もございますので、そちらのほうの御意見を聞かせてもらった上でお願いしたいと思います。 それから3番目に、安全対策ですが、実は原発の事故は思いもせんときに起こるわけですけれども、一番安全なのは、つくらないのが一番。それから、今のように動かさないのが、とりあえず原発の事故については動かさないというのが安全。しかし、現在のエネルギー状況を考えると、全部をとめてしまったまま、ほかのことで何とかしなさいというだけでは解決をしないというふうに思いますから、百歩譲って少しは、やっぱり安全なところの審査を今ずっとやっていますから、いきなり全てをゼロにするということはできないでしょうから、順次減らしていくということで、国民の思いというのもやがて伝わっていくんじゃないかなというふうに期待をしたしておりますが、そういうことだろうと思います。 そこで、ちょっと心配になりましたのは、玄海原発の1号機、2号機は、建設してから──私が25歳ぐらいのときからやっていますので、45年、50年近くになるわけですね。当初は30年と言われとったんです、原発の寿命は。ところが、ちょっとここら辺も政府が国民を結果としてはだましたような格好になっておりますが、うんにゃ、まだ大丈夫だからと言って40年、今はもう60年とかという声まで出るぐらいに言われていますが、当初は30年ということで言われていました。 玄海原発1号機は、もう30年以上たっています。私が若いころ、髪はぼうぼうして、まだやせ細っておった時代、あれからもう40年になりますけれども、そのころは、1号機はもう定期検査のたびに細管損傷を起こしとった。もう毎年毎年起こしとった。常に交渉に行ってですね、原因は何かということで言いよったんですけど、らち明かない。結局、中に入れている何か成分のやつが細管に穴をあけて、そこから漏れているということで、もう一時期は何千本という細管を損傷して交換した時期がある。それぐらい実は危険な1号機なんです。 それを、もちろん審査はあるでしょうが、再開するというのは、もう年数的にも、それから、これまでずっと小さな事故を繰り返してきた1号機、2号機についてはですね、この際、廃止をしてもらったほうが、より安全ではないかというふうに私は思うんですが、市長もなかなかはっきり言いにくい面はあろうかと思いますが、より安全を求めるとすれば、3号、4号はちょっと当分やむを得ないにしても、1号、2号については事故続きで、故障続きの原発ですから、もう運転はしてくださいますなというふうに言ってもいいんではないかと思いますが、腹をくくって言う元気がございますでしょうか、求める気はないのかをお伺いしたいと思います。 それから4番目に、今、県が避難のためのいろんな計画を立てられて、シミュレーションもつくられて、大体、避難するのにこれぐらいかかるだろう、子どもは学校に親が迎えに来てください、病院はいっとき窓を閉めとってくださいみたいな話でやられていますが、その県の避難対策を受けて、市民団体が全市町を調査されていますね、お話があっているだろうと思いますが、伊万里市でも聞き取り調査があったそうですが、その中でやっぱりいろんな課題が出てきているんですね。御存じなければ今からずっと一つ一つ言うてもいいんですが、例えば、まず避難するのは5キロ圏から、5キロ圏が済んだら10キロ圏、10キロ圏が済んだら30キロ圏、伊万里はずっと最後のにきになるわけです。そういう計画が立っていますが、それでいいんでしょうか。また、それは守られるでしょうか。 もう放射能が飛んできよるていうとに、うんにゃ、うちは30キロ圏だから、5キロ圏、10キロ圏の方が避難されてから、その後うちが逃げますからという、そんな悠長なことが現実としてあるんだろうかというふうに考えると、もうまさにこれは机の上の空論だなという感じがしてなりません。市長もこういう想定というのは、ちょっと甘過ぎるんではないかというのを新聞の記事でちょっと見ましたけれども、そういうふうにおっしゃっていますが、そういう問題。 それから、一番ちょっと話で気になったのは、伊万里は周辺の都市に、私は大坪におりますが、大坪は太良町に避難するようになっているんです。7,700人。ところが、太良町にその市民団体が聞き取りをしたら、いや、500人ぐらいは来らすかわからんと思うとったけれども、そんな想定はしていません、話し合いもしていませんというような回答だったというふうに市民団体の方は言われているんですが、ほんなごとでしょうか。 まだ県が避難計画をつくって長くなりませんから、綿密な打ち合わせの時間はなかったかもわかりませんが、大坪地区の住民が避難をするときに受け入れていただく太良町の方は、いや、そんな想定もしていないみたいな話になっているんですが、これで大丈夫なのかなという課題もございます。 それから、避難所のスペースも、何千人が避難するかわかりませんが、一応予定されている広さというのは1人畳2枚分。で、どれくらいの期間になるかはっきりしないですね。一応スペースとしては1人当たり畳2枚分とっていると。だから、ごろんとなればもう歩きもされないみたいな狭いところに避難をするという形になる。 それから、スクリーニングといって、もし放射能がかかっとったら、それを洗い流したりせにゃいかんですが、ガイガーカウンターではかって、ついとったら洗い流すということをやるんですが、これもどこでするのかはっきり書いていないとか、いろいろそういう問題がいっぱいまだあるというふうに思っています。 私は先日、勉強会がございまして、そのときにも言ったんですが、とりあえず、今、佐賀県がつくっているのは、言うならば幼稚園生がつくった最初の計画みたいなもので、これを本当に市民が安心できる避難計画にしていくためには、やっぱりこれから2回も3回も研修を重ねてですね、よりよい安心できる避難計画というのをつくり上げていく以外にないんではないかというふうに思いますが、これはもう将来、具体的にどういうふうにやっていくかというのは市のほうで計画をしなさいというふうに恐らくなってくるでしょう。県は一応、避難計画つくりました。これから先は市のほうで、自治体のほうでやってくださいということになると思いますが、大丈夫でしょうか、市長のお考えをお伺いいたします。 3番目に、高齢化社会に対する支え合いの対策について申し上げます。 実は先日、栄町の高齢者に対する取り組みが評価をしていただいて、伊万里市のまちづくり大賞をいただきました。それからもう1つ、佐賀県のユニバーサルデザインの優秀賞をいただきました。 それは何かといいますと、お年寄りが結構ふえてきて、まちの中の高齢化とかというのがどんどん進んで、今はもう65歳以上のお年寄りが占める割合が27%です。伊万里も25.幾らぐらいだと思いますが、それぐらいにふえた。これからももっと恐らくふえていくだろう。そのときに、行政にあれもしてください、これもしてください、これもやってくださいというふうなことは誰だって言えるけれども、それはもうやってもらわにゃいかんことはいっぱいありますが、地域でできることもあるんじゃないかということで、それはみんなで協力してやったらどうかというのを、元市役所の職員さんが提起をされまして、そのための活動をしていこうと。私の考え方に賛同の皆さんは一応会員になってくださいといって、1千円会費で会員を集められました。30人ばかりいらっしゃる。 まず最初にやったのは、その方々で、お年寄りのひとり暮らしのところとか、老老といいますか、お年寄りの夫婦のところとかに火災報知器をつけようということで、注文をとってですね、私たちでずっとつけて回りました。 あんまり言うと、栄町の自慢話ばっかりになってしまいそうで本当は言いたくないんですが、それをしてですね、その次に、救急医療情報キットといって、これぐらいの筒があります。この中に、ここの家族の方の年齢とか、かかりつけの病院とか、それから緊急時の連絡先とか、持病とかを書いたやつをここに入れて冷蔵庫に入れとく。そうすると、何かあったときに、消防署や救急車が来たときに、この方をどこにどういうふうに搬送するのかといったときに、この筒を見ていただくと、持病とか、病気の経歴とか、緊急連絡先とか、みんな書いちゃります。これをしてもろうたら、お年寄りも安心でしょうということで、これもただじゃありませんので、お金をもちろん出してもらって、うちのほうで世話をして冷蔵庫に置いている。 これは、よそでもやられているところがあるそうで、平成24年には有田とか、嬉野とか、大町、太良、唐津は、希望者に配付をして冷蔵庫の中に入れとってもろうて、いざというときには救急隊員がこれを見て対応するということでやられている。 それから、お金を1千円出して集まって何をすっとかいということになりましたので、今は、ただでいろんなことをするボランティア活動の勉強会を一からやりました。それから、買い物の支え合いということで、栄町は御存じのとおり、ちょっと高台にあるものですから、行くときは、もうツーツラツーで行けるんですが、帰りは荷物を提げて上ってくるので、年寄りはとても大変という話がありまして、それじゃ、毎週火曜日、自動車を出しますので、それにいっちょ乗ってスーパーに買い物に行きましょう。そこで買うてもろうて、そのお客さんといいますか、お年寄りを乗せて帰ってくるというボランティア活動をやっています。 それから、健康のための講話を、病院の先生を呼んで、いろんな年寄りの病気についての講演をしてもらう。それから、先日は地域防災講演会ということで、市のほうから来ていただきまして出前講座を開きました。 リサイクルサンデーにいっぱい物を出しよりますが、お年寄りはもう抱えて児童公園まで持っていききらん。わかりました、うちでリヤカーを出しましょう、うちで軽四輪を出しましょう。家の前に置いとってくださいというて、それをみんなで会員で回って集めてリサイクルに届ける。 このごろは、ふれあいプラザというのをつくって、昔の店を改造して、そこでお年寄りがいつでも集まっていただいてコーヒーが飲める、マージャンができる、カラオケができる、話し合いができる、そういう場をつくって、いつでもお年寄りがそこに来て話ができるようなことをやったらどうかということでやる。 そのほかにもいっぱいありますが、あんまり自慢話になってもなんですからやめますけれども、実はそういうのは、何も栄町だけではなくて伊万里市の中でもできることがあるんじゃないかなというふうに思ったんです。お年寄りはもう大変喜んでいただいています。もちろん、寝たきりのお年寄りはもう来られませんから、おいでになりませんが、少なくとも歩いてこれる方は集まっていただいている。そうすると、お金は、要するに市のほうの福祉予算とかなんとかは使わなくても、地域で一定程度のお年寄りのための福祉というのはできるんだなというのを実は実感したわけです。 ですから、こういうのはぜひよその地域にも広げて、何でも栄町と同じようには私はできないと思う。なぜかというと、栄町は1個のこの狭い地域に戸数が400戸ぐらいあるところですから非常にしやすいんですよね。ですから、すぐできたんじゃないかなと思いますが、もう隣の家まで150メートルも200メートルもあるところでこういうのをやれと言っても、なかなかできないだろうと思いますが、それができないならば、せめて週1回、買い物ぐらいは連れていこうかというようなことは、恐らく地域の中で話し合いをしてもらえばできるんじゃないかな。そういう意味でちょっといろいろ申し上げましたので、これを一つの参考にして、市のほうでもそれぞれの地域にですね、やっぱりお年寄りが安心できる、また助かるようなボランティア活動はいっぱいあるんですよというのを宣伝していただいて、自分たちのまちのお年寄りは、できるだけ自分たちの手で安心してもらうような取り組みをしていけば、恐らくお年寄りの方は感動して、感激をされて、感謝されるんではないかなというふうに思っておりますので、そういう取り組みについて市のほうで検討する、やっていく気持ちがありますのかどうか、お伺いをしたいと思います。 以上です。 ○議長(内山泰宏)  市長。 ◎市長(塚部芳和) (登壇) 御質問が多岐にわたっておりますので、若干時間も長くなると思いますが、御容赦いただきたいと思います。 まず、都市計画道路の考え方についてでございますが、都市計画道路とは、将来の都市像を実現するために円滑な都市交通と良好な都市環境を形成するための必要な骨格的な道路と位置づけられておるところでございまして、具体的に申し上げますと、都市交通施設としての機能のほか、居住環境を維持する空間としての機能、都市防災施設としての機能、ほかの都市施設のための空間としての機能、街区の構成としての機能、市街地を誘導する機能など、さまざまな機能を持っております。 伊万里市には、国道、県道、市道のうちに、22路線、都市計画法に基づき決定がされておりますが、その中には決定だけがされて事業が行われていない道路もあるところでございます。 今回の都市計画道路二里黒川線につきましては、先ほど占野議員おっしゃいますように、国道204号の国見台の交差点から、いまりんビーチ入り口までの延長9,010メートルが昭和52年に都市計画決定がなされ、都市計画決定後、38年経過をしておるところでございます。 また、都市計画道路というのは、議員おっしゃられますように決定どおり事業化がなされるのが理想でございますけれども、その時々の時代の社会情勢で決定の変更も可能となっております。 今回の社会情勢の変更というのは、重要港湾伊万里港の貨物量の増加、いわゆるコンテナ貨物の取り扱いに伴う交通量の増加や、工業団地への企業の集積による交通量の増加、また、臨港道路久原瀬戸線の開通や臨港道路七ツ島線が平成21年度から事業着手されるなど交通環境が大きく変化したことから、これらの臨港道路としてのアクセス性にすぐれた現道の国道204号を利用した海側ルートへ変更がなされようとしておるところでございます。 2点目の、道路形態とバイパス計画でございますが、一般的に、バイパス道路とは市街地などの間雑区間や、峠、山間部など狭隘区間を短絡、迂回するための道路とされております。その役割効果としては、市街地では渋滞や事故、騒音などの軽減であり、山間部では路肩崩壊などの事故や災害復旧のための通行どめ期間の縮小などが挙げられます。 今回の整備計画では、当初通過する予定であった黒塩地すべり地区を避け、海側に迂回し、現道へ接続するものでありますが、2車線を4車線へ改良拡幅を行い、また、臨港道路久原瀬戸線及び七ツ島線と接続させることによって、工業団地からの交通が円滑になり、渋滞緩衝につながるものと考えられ、バイパスの機能は十分果たせるということで進められております。 あわせて、県のこれについての見解を申し添えますと、いわゆる海側ルートに至った計画については先ほど言ったとおりでございますが、公共事業を取り巻く環境、非常に厳しくなっているとともに、工事の経済性や事業効果の早期発現が求められており、山側ルートでは全線開通するまで供用できないこととあわせ、臨港道路とのアクセス性を向上させるには、別途、市によるアクセス道路の整備が必要となることなど、総合的な観点から海側ルートに優位性があると判断されたところでございます。 4車線化を行い、臨港道路と接続させることで、ネットワークとしての整備により、渋滞が解消するものと考えられますし、現市道の松島瀬戸線や国道204号の木須町、瀬戸町の交通量が大幅に減少することになりますので、バイパスとしての機能は果たせるものと考えられております。また、限られた予算の中で両方の整備に予算を割るというのは難しいと、こういう考え方でございます。 次に3点目の、渋滞対策と緊急避難道路でございますが、204号の整備につきましては、朝夕の渋滞の緩和、道路利用者の交通安全の確保、大型車の輸送効率向上に加え、緊急時の避難道路としての役割も期待がなされております。 私といたしましても、議員御指摘のとおり、海側ルートと山側ルートの2本の道路を、いずれも早期に整備されることが望ましいと私自身も考えておりますけれども、県においては、先ほど言いますように限られた予算の中で2本の道路の計画を進めることは難しいため、双方のルートのメリット、デメリットを比較し、事業効果の早期発現が可能であることや、交通渋滞の解消が見込めることなどから海側ルートが選定された経緯があります。 このため、海側ルートにおいて渋滞の解消はもちろんのこと、道路のかさ上げ等により、緊急時の避難道路としても活用できる道路をしっかりと整備してもらうよう、県には働きかけていきたいと考えております。 また、204号改修と湾岸道路、いわゆる臨港道路の一体的改修でございますが、臨港道路と国道204号の一体的な改修によって、都市計画を変更する必要はなくなるのではないかという、そういう考え方もあるわけでございます。これについては、まず今回、都市計画の変更が必要となった理由については、先ほど説明をしたとおりでございます。 そういう中で、この市街地と七ツ島工業団地を直接結ぶ計画であった二里黒川線の一部ルートを見直し、交通の需要を海側へ振りかえる変更を行うことで、伊万里湾大橋や七ツ島線とのネットワークを形成することにより、七ツ島地区周辺の交通渋滞の解消、地すべり地域の回避、整備効果の早期実現などを図るとしているものでございます。 なお、臨港道路七ツ島線と204号の交差点位置につきましては、当初、七ツ島線が国道204号と接続する予定でございましたが、その後、国道204号の計画変更が浮上したことから、関係者が最適な交差点形状となるよう調整した結果、原案の位置に一体的に計画されたと聞いております。 次に、市民の声の反映ということでございますけれども、これにつきましては、私のほうも以前、この計画変更に疑問を持つ人から御相談を受けたところでございまして、その折に、やはり県等に説明会を開催していただくようお願いをしたところでございます。 そこで、先ほど来、議員申されましたように、約5回の意見交換会と住民説明会が実施なされております。当然、過去5回の意見交換会では、牧島、黒川、波多津町区長会、並びに関係する各地区の区長、公民館長、議員をメンバーとして、現状と課題、将来の交通量、海側、山側ルートのメリット、デメリット、課題に対する対応策、地域の皆様の要望に対する対応と、さまざまな観点から意見交換がなされており、これを踏まえて変更の原案が作成されております。 そういうことから、県、あるいは市におきましても、全く市民の意見が反映されていないというふうには考えておりません。確かに、何の事業をするにおきましても、いろんな意見はございますので、民意をいかに総意としてまとめていくか、これについては今後の流れについてでございますが、ひとまず県等が実施した意見交換会での議論、あるいはまた公聴会時に口述申出書もあっておりますので、こういう口述内容については、今後の手続の流れの中で、いわゆる審議会等の場の中で、その内容が報告をされることになりますので、その過程の中で市民の意見の反映はなされるわけでございます。その市民の意見が果たして思いどおりになるかどうかは別といたしまして、やはり審議会等の中で意見は反映をされるということで考えておるところでございます。 次に、大きな防災対策の中の防災行政無線ですね。これは先ほど香月議員のときに財源の問題は言われておりますけど、この防災行政無線、必ずしも原発だけの問題ではございません。自然災害、こういうふうなことも対応するための防災行政無線で、伊万里市だけ整備がなされていないというような状況で、今後これについては後年に財政負担が生じないよう、有利な事業債等を活用していきたいと、このように思っておるところでございます。 次に、原発の1号、2号機の廃炉を求める気はないかということですが、私もこの問題については、個人的には、かなりの経過年数を経ておるところでございまして、要は、やはり耐用年数だとか、あるいはまた、それぞれの機械の機器の中で脆弱性の問題等もあると思っておりますので、1号、2号機の廃炉等についてはですね、私自身も基本的にはされるべきであるとは考えておりますが、基本的には原発の技術面、施設面での安全性についての判断は国の判断であると考えておりますので、私自身が安全性を理由に廃炉をあえて求めていくような活動までは考えていないところでございます。 次に、市民団体の質問と回答でございます。 確かに、今回の原子力災害の避難計画につきましては、県において平成23年7月に原案作成がされておりますけれども、その原案を伊万里市、唐津市、玄海町の避難計画として策定したものでございます。ただ、避難先との調整が不十分ではないかと、さまざまな指摘がなされております。 この避難計画については、手続上は県内の防災担当課長会議を経た上で、23年7月の市町長会で全ての首長の承諾という形がとられておるところではございます。しかしながら、現実問題として、受け入れ先の自治体において避難所が十分に認知されていなかったり、あるいはまた、避難する人もどこに行けばいいのかという、そういうものが知らされていない、また、本年4月に発表された県の避難時間の推計シミュレーションの結果においても、予想以上の渋滞が発生することも明らかになっているため、今後も避難計画の見直しはその都度必要であると考えております。 玄海原発で万が一の事故が発生した場合、何と申しましても避難が最大の防御となりますので、伊万里市といたしましても、避難計画については、議員御指摘のように実効性のあるものに高めていきたいと考えております。 最後に、栄町の高齢化社会の助け合いについて御紹介がありました。 この問題については、私も栄町のすばらしい取り組みに改めて心より敬意を表したいと思っております。超高齢化社会を迎える中で、今後、地域の人々がお互い互助の精神を発揮して助け合いをするというのは大変重要であると思っております。 市といたしましても、平成25年1月の広報伊万里でこの栄町の取り組みを紹介し、私自身も広報の市長雑感で2回ほどこの問題について取り上げたことがございます。ぜひこの栄町の取り組みを伊万里市内それぞれの地域で、先進的なモデルとして啓蒙、あるいは知らせていき、そしてまた、ほかの地域でもこういう取り組みがなされていきますよう、市といたしましても紹介をし、場合によっては、栄町のそういう人たちを講師としてお招きするなど、いろいろと対策を講じていきたい、このように思っておる次第でございます。 以上でございます。 ○議長(内山泰宏)  占野議員。 ◆21番(占野秀男)  総体的には理解をいたしましたが、やっぱり都市計画道路の変更は、県が本当に実態を踏まえて見直しを、何とかしようとかという検討は全然せんまま、地元の区長会等で了解をいただいているんだからみたいな形で進めようとしていますがね、ちょっと言いましたように、東日本大震災の前の話ですよ、それは。だから、今の伊万里湾大橋のあれとか、湾岸道路とかという話よりも、もっと大事な状況が生まれたにもかかわらず、そのことを考慮した道路計画というものになっていないのではないかというのがやっぱり一番気になっているところ。 地元は地元としての避難計画とか、それから、渋滞対策とか早く解決してもらいたいというのがあられると思いますが、それはやっぱり国道の整備である程度はカバーできるわけで、いざというときのためには、やっぱり山際につくるというのが、万が一のときの渋滞対策、避難道路としてできるものだと私は思っております。県がもう一歩そこら辺を引いてですね、そういう意見が実は公聴会でも意見交換会でもどんどん出ているんです、そういう意見が。問題は、そういった意見がいっぱい出たのをどれだけ受けとめて帰られて、今後の都市計画道路の見直しに反映していただくのかわかりません。先ほど県の姿勢は、50分もロビーに立たせるなんていう話がありましたから、本当に我々が話をしても真剣に受けとめていただくかどうかわかりませんが、市長が言えば相手も無視はできんでしょうから、それなりに重く受けとめられて検討をしていただく可能性はあると思うんですね。ですから、一議員がわあわあ言うても、なかなかいきませんが、市として一定程度の思いというのを伝えていただければ、少しは違うんじゃないかなという期待をいたしておりますので、ぜひこれはちょっと考えていただきたいなというふうに思います。 それから、原発の避難のやつはですね、ちょっと時間がありませんので、具体的に一つ一つこれはどうするんですか、あれはどうするんですかと言うつもりはありませんが、今までつくられた避難計画では不十分さがいっぱいあると。根本的に、やっぱり伊万里市は伊万里市として見直して、安全・安心のための計画を、やっぱりそれにしっかり肉づけをしていただいてですね、こういう形でやれば市民も安全ではないか、大丈夫ではないかという中身のやつをつくっていただきたい。そのことが、市長が日ごろおっしゃっている安全、行きたいまち、住みたいまちということになるんではないかなと。そういう不安があるまんまでは、なかなか住みたいまちにはならんのじゃないかなというふうに思いますので、ぜひしっかり肉づけを議論していただいて、よりいいものにしていただきたいということをお願いして、質問を終わります。 ○議長(内山泰宏)  ここでしばらく休憩いたします。               (午後3時20分 休憩)               (午後3時30分 再開) ○議長(内山泰宏)  会議を再開いたします。 引き続き、一般市政に対する質問を行います。5番前田和人議員。 ◆5番(前田和人) (登壇) 皆さん、お疲れさまでございます。今議会、一般質問1日目、5番バッターということで、議場の雰囲気はかなりお疲れモードもあり、早く終わってくれないかなという雰囲気も見えますが、仕事でございますので、力を振り絞って質問をしたいというふうに思います。 還暦を5年過ぎました前田和人でございます。今回、2点通告をしております。伊万里市制60周年記念について、2番、総合計画のうち後期基本計画について、この2点を取り上げて質問をさせていただきます。 まず1点目、伊万里市制60周年記念についてでございますが、伊万里市は、御承知のとおり昭和29年4月1日の市制施行で、誕生以来、本年で60周年の記念の年を迎えております。人間では暦がめぐる、一巡する還暦というふうに呼ばれるわけですが、私も還暦の年には周りの皆さんからお祝いをしていただいたり、ありがたい思いでありましたが、私自身としても、これまでの振り返りをし、今後の人生をどう生きていくかというようなことを考えるいい節目であったのではないかなという記憶をしております。 さて、伊万里市にとって、この60年というものは、この歴史を振り返り、将来に向けてどう方向づけて何を始めるかと、その節目として市としても絶好の機会ではないかなというふうに思うわけであります。 まず、壇上では、市制60周年記念の伊万里市にとっての意味、意義というものをどういうふうに捉えているか、どう認識されているのかということをお尋ねいたします。 2点目、総合計画後期基本計画についてでありますが、今議会にこの総合計画の中での後期基本計画の策定について議案上程がされ、議会でも特別委員会を設置して審議されております。私も総合計画の第5次の始まりのときに執行部のほうに委員としておりましたので、その続きがどうなるのかというのは大いに興味のあるところではありましたが、委員会のメンバーには手を挙げたんですけれども、希望者が多くて漏れてしまいましたので、委員会審議の一部は傍聴させていただきましたが、改めてこの議場においてお尋ねをしたいというふうに思っております。 この計画の中には、伊万里市政の方向性、伊万里市がどう進むべきか、あるいは今後取り組んでいく事業について細かく審議をされております。特別委員会審議の傍聴の折にも感じたことは、たくさんの意見も出ておりましたし、質問も出ておりましたし、また、きちんとした答えもですね、審議の内容について答弁がされていたように思います。 この後期基本計画については、(冊子を示す)こういう冊子として私どもはいただいているわけでございますが、これは議員としては審議をするわけですから読み込んでおかなければいけない当然のことでありますが、多くの市民の皆さんについてどうかということを考えますと、まだまだこの内容的なもの、あるいは意味について御承知が足りていない部分もあるのかなというふうな気もいたしますし、また、この計画の中には、市民に期待される役割ということでたくさんの記述がございます。 まちづくりの方向性について、40項目にわたる施策が述べられておりますが、それぞれに対して市民の皆さんの役割というものがあります。40項目にそれぞれ1項目なり5項目なり、市民の期待、役割が述べてありましたので、私ずっと数えてみましたら、何と市民に期待される役割が104項目ありました。つまり、計画は行政と、あるいは市民代表の委員の皆さんと、有識者の方も入ってつくっていただいているんですけれども、この実現においては、やはり市民の皆さんがその意味合いを、あるいは市が取り組んでいく事業に対して、よりよく理解を持って協働していくということが非常に大事ではないかなと思いますし、また、これは協働する前に、この内容が伝わっておく、あるいは市民の皆さんと共有をしていく、そういう必要性があるのではないかなというふうに思います。 まず、この後期基本計画については、総合計画の中での位置づけ、後期計画の位置づけ、それから作成される過程と、これは特別委員会では説明がありましたけれども、市民の皆さんにも知っておいていただくべきかなということで、前段、御紹介をいただきたいということで1回目の質問といたします。 ○議長(内山泰宏)  総務部長。 ◎総務部長(前田隆博) (登壇) 前田議員の、市制60周年の年をどう捉えているかという御質問にお答えいたします。 昭和29年4月1日に、2町7カ村の合併により誕生いたしました伊万里市は、ことし、市制施行60周年を迎えました。これまで本市では、5年ごとの節目の年に記念式典等の事業を実施してきております。ちょうど10年前の平成16年度には、伊万里市誕生から半世紀という大きな区切りの年でもあったことから、市制50周年の記念事業について、市民のアイデアを募集し、市民を交えた検討会で検討し、同じく市民を交えた実行委員会で8つの記念事業と約50余りの冠事業を実施してきたところでございます。 本年は10年区切りの節目の年に当たりますけれども、50周年のように大規模な事業は行わず、あくまでも5年ごとの節目の年を市民の皆さんとともに祝えるような、記念式典を中心とした市民参加型の事業を中心として、60周年の記念の年を盛り上げたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(内山泰宏)  政策経営部長。 ◎政策経営部長(山本洋一郎) (登壇) 前田議員御質問の2点目、総合計画後期基本計画について、総合計画の位置づけ、後期基本計画の位置づけ、策定経過についてのお尋ねでございます。 総合計画は、市のまちづくりにおいて最も上位の計画として位置づけをしているものでありまして、一般的に、行政運営の基本的な理念や方向性、目標を示す基本構想、基本構想に基づき実施する具体的な施策を示す基本計画、基本計画に沿って実施をする具体的な事業を示す実施計画の3つの計画を合わせて総合計画というふうに言われております。 この仕組みでございますが、本市においては、現在、平成21年度から平成30年度までを計画期間とする第5次伊万里市総合計画基本構想に基づきまして、将来都市像であります「活力あふれ ひとが輝く 安らぎのまち 伊万里」の実現を目指して、各種の施策を展開しているところでございます。 基本構想に基づき実施をする具体的な施策を示す基本計画につきましては、基本構想の期間を前期と後期に分けた各5年間を計画期間といたしております。基本計画に沿って実施する具体的な事業を示す実施計画につきましては、計画期間を3年間とし、財政状況等の変化に対応するため、計画内容の見直しを行いながら、毎年、策定をしております。 今議会では、前期の基本計画が平成25年度をもって計画期間を終えたことから、平成26年度からの5年間を計画期間とする後期基本計画を今議会の議案として上程し、御審議をお願いしているところでございます。 第5次伊万里市総合計画は、基本構想を策定する段階から市民の皆様で構成するまちづくり市民会議での検討を重ねるなど、市民との協働をテーマとして策定した計画であることから、今回の後期基本計画の策定に当たりましても、まず、市民アンケートにより、市民の皆様の市政に対する満足度等を把握することから着手し、その後、庁内において総合計画企画委員会や企画幹事会を組織し、全庁挙げての体制で計画案の作成に取り組むとともに、学識経験者や各種団体の代表者など30名で構成する総合計画審議会での審議や、パブリックコメントなどを経ながら内容を検討し、計画案を作成したところでございます。 ○議長(内山泰宏)  前田和人議員。 ◆5番(前田和人)  それぞれ壇上からの質問にお答えをいただきましたが、これから一問一答で、まず、市制60周年記念事業についてお尋ねをしていきたいというふうに思います。 私は、先ほど市制60周年、この60周年というものを、人間でいうと還暦ということで、そういう捉え方をしたんですが、今の答弁でございますと、60周年という、その還暦という意味合いじゃなくて、5年ごとのというふうなですね、その積み重ね、1ステップというふうに聞こえたんですが、私としては、ぜひこれまでを振り返ってみて新たなスタートにするいい機会ではないかと、そういう区切りとしていい機会ではないかなというふうな捉え方をしてこの質問に臨んだわけですが、この記念事業の、今回、60周年の記念式典は11月に計画もされておりますし、また、それに合わせて60周年記念事業、あるいはその冠事業というものが今そろえられてはいるんですが、まず、その前に、記念事業の立案に当たって、各部門にどのように60周年を捉え、記念事業にふさわしいものを出してほしい、あるいは上がってきたものから、それをどういうふうに選別、選定していったか、そのプロセスについてお答えをいただきたいと思います。 ○議長(内山泰宏)  総務部長。 ◎総務部長(前田隆博)  実は市制60周年ということで、昨年、25年度から取り組みを始めております。具体的に申し上げますと、事業立案につきましては、まず昨年の8月に、この60周年ということの職員への周知と機運を盛り上げるために庶務担当者会議を開催いたしまして、新年度予算編成の10月には、庶務の担当課長会議を開催しまして、庁内各課から記念事業の提案をお願いいたしております。 その折、各課においては、60周年の節目ということでございましたので、これまでせっかくよいアイデアを持ちながら、新年度の予算編成における枠配分の関係上、どうしても要求したくても要求できないケースもあるのではないかというふうに考えまして、記念事業については別個に捉えて提案を促したところでございます。 これを受けまして、秘書課のほうで各課からの提案を取りまとめた後、財政課、企画政策課を交えて、事業の内容、予算等を精査しまして絞り込みを行い、記念事業の決定を行ってきたところでございます。 なお、御承知のとおり、平成26年度は市長改選の年に当たり骨格予算としたことから、決定した事業のうち、事業実施時期や事前準備が必要なものだけを当初予算に計上し、さきの3月議会で承認をいただいたところですけれども、その他の事業につきましては新たな提案になった事業を含めまして、関連する予算をこの6月議会に上程しているところでございます。 以上でございます。 ○議長(内山泰宏)  前田和人議員。 ◆5番(前田和人)  この60周年記念事業がどのように選定をされたのかということで、そのプロセスを回答いただきましたが、どうも私が今聞く限りではですね、この60周年の意味合いというのが余り大きく捉えられていなかったのかなというふうな気がいたします。それぞれ各部門において、60周年記念にふさわしい事業を選定しようという作業はされると思うんですが、そこで大事なのは、まず60周年をどんなことにするのか、どういう意義づけをするのかと、その辺の強いメッセージが出ていたのかなという懸念をいたします。 この60周年に当たります今年度は、塚部市長の4期目の市政が始まるスタートの年と時を同じくしているわけですね。そういう意味からすると、今までの先輩たちが頑張ってこられて、今まで伊万里を引っ張ってきたこの功績をたたえるということはもちろんですが、やはりこの次にどういうことをやるのかということが、明確な指針として出てきてほしいなというふうな期待を私自身は持っておりました。 例えば、先ほどもちょっと答えの中にありましたけれども、なかなか通常の予算の中では、枠配分の中では拾い込めない、事情で上がってこないものもあるというふうな部分もありましたけれども、例えば60周年記念事業枠みたいな特別な捉え方であるとか、そういうものがあったのかなということがあって、ちょっとお尋ねをいたしました。 今年度の当初予算、これは骨格予算でありましたので、この記念事業についても一部が出てきました。この6月補正で本格的に、この記念事業についても全体像が、あるいは事業名が出てくるのかなというふうに思っておりましたが、今のところ、当初と今議会で提案がされているものを含めますと、記念事業、あるいは冠事業のメニューとして二十数件だと思いますが、どんな形で、どんな色分けになっているのかということをお教えいただけますか。 ○議長(内山泰宏)  総務部長。 ◎総務部長(前田隆博)  それでは、3月議会の分、それから今議会に提案している事業含めまして、主な事業を御紹介させていただきます。 まず、記念事業でございますけれども、午前中の一般質問の回答でありましたけれども、7月から9月にかけまして、福岡市のほうのANA、全日空クラウンプラザホテル内の全レストランにおいて、本市の豊かな食材を使った料理を提供する伊万里フェアですね。それから8月24日には、市民の防災意識の向上を図るため、片山元総務大臣を講師に防災・減災フォーラムin伊万里。それから8月30日には、市民の見るスポーツの場づくりと青少年の競技力向上を図るため、国見台野球場で福岡ソフトバンクホークス対広島東洋カープの2軍公式戦のプロ野球ウエスタンリーグ伊万里大会。それから9月21日からは、伊万里が生んだ製菓王、森永太一郎の人物像や本市とのかかわりを明らかにするための遺品などを展示する森永太一郎展を。それから10月には、心身ともに健やかな人づくりと地域づくりを目指して、5年ごとに開催しております市民総参加による市民体育祭を。 それから、先ほど言っていますけれども、11月3日文化の日には、市制60周年記念式典を開催しまして、そのときに市政功労者と善行者の表彰を行うとともに、あわせて企画パネル展を行うようにしております。同じく11月には、全国各地を回りながら、地元の人と一緒に俳句を通じてその土地の魅力を紹介するNHK公開番組「俳句王国がゆく」や、落語や漫才、コメディアン劇場など内容盛りだくさんの宝くじ文化後援事業「ワクワク劇場」を共催するほか、来年1月には日本陸上競技連盟公認のハーフマラソン大会を、2月には、西九州自動車道の本市の延伸を捉え、福岡都市圏からの誘客を図るため、本市の魅力を紹介するテレビCMの放映をいたすようにいたしております。 逆に、このほか冠事業といたしましては、9月に歌を通じて児童の健全育成や親子の触れ合いを一層深めるため、新たに創作された「いまりんモーモちゃん」体操発表会等を盛り込んだ心ふれあい・うたフェスタ、それからまた11月には、海洋深層水学会が本市で開催されることに伴い、海洋深層水を活用した商品化やエネルギー等に関する市民向け講演会を開催いたします。 以上、主な事業を申し上げましたけれども、記念事業で11件、冠事業で12件、全体で23件を実施するように予定いたしております。 以上でございます。 ○議長(内山泰宏)  前田和人議員。 ◆5番(前田和人)  当初予算、それから今回の6月補正で上がってきている60周年記念事業の全容として、御紹介いただいた23件ですかね、あると思います。これを聞いて、こういうことをやる意義というのはそれぞれあると思いますが、市民の皆さんにこの辺の記念事業の重みというところがどれぐらい伝わるのかなという気がいたします。 というのは、先ほど昨年の8月来、この市制60周年に向かって記念事業を企画しなさい、あるいは立ち上げなさいという動きをされた中で、記念事業としてふさわしい事業、これはもちろんあると思いますが、この中にはですね、私の感覚でいうと、たまたま60周年のことしにやる事業というレベルのものも、たくさん入りまじっているんじゃないかなというふうな気がいたします。あえて60周年というふうにつけなきゃいけないのかどうかという、疑問符をつけざるを得ないようなものにもついているんですが、それはそれとしてですね、一応事業として提案がなされていますので、それはこの60周年記念の趣旨にふさわしい内容に、できるだけ近づけていく、そういう形で実施をしていただきたい。もう少し言葉を変えて言いますと、いたずらに記念事業だとか冠を、数をそろえるということがふさわしいのかどうか、いかがなものかという気がいたします。ぜひこの実施におきましては、この60周年の意義というものに、趣旨に沿ってですね、実施内容をまた組み込んでいただけるようにお願いをしたいというふうに思います。 現在、23件の記念事業、冠事業が入っておりますが、今後さらに、9月議会以降ですね、記念事業として追加計画をされる予定のメニュー等があるのかないのか、その辺はいかがでしょうか。 ○議長(内山泰宏)  総務部長。 ◎総務部長(前田隆博)  今後、追加される予定のメニューはという御質問でございますけれども、私どもといたしましては、基本的には現計画の枠内で実施したいと考えておりますけれども、なお、各部において新たな検討がされているかどうか、まだそこまで把握しておりませんので、もしもその辺が上がってきたときは、財政当局とのいろんな話が出てくるかと思っております。 以上でございます。 ○議長(内山泰宏)  前田和人議員。 ◆5番(前田和人)  今、顔出しがされているその事業についてはですね、重ねてではございますが、その実施においてはぜひその60周年にふさわしい内容になっていくように努力をいただきたいというふうに思います。 市長に質問もちょっとしてみたいと思いますが、先ほど言いましたように、塚部市長の4期目のスタートの年でもあります。市長自身は、この伊万里市制60周年というものについての意義、あるいは記念事業についての感想がございましたら、所見をお聞きしておきたいと思います。 ○議長(内山泰宏)  市長。 ◎市長(塚部芳和) (登壇) 昭和29年に伊万里湾の総合開発計画の樹立がなされまして、それを主要な動機として、伊万里湾を囲む2町7カ村が大同団結をいたしまして合併がなされ、当時、人口約8万3,000人、総面積252平方キロの伊万里市が誕生し、ことし60周年を迎えております。 先ほど前田議員が申されましたように、人間では還暦の年であります。一口で60年と言いましても、伊万里市はその間、国のエネルギー政策の転換による石炭産業の消滅、あるいはまた、石油危機に端を発した構造不況、あるいはまた、昭和42年の伊万里川の大水害によります壊滅的な市街地の被害、こういうふうな幾多の試練があったわけでございますけれども、その時々の先人たちの努力によりまして、絶えず変化する社会情勢の中で、都市基盤の整備、あるいは企業誘致等が行われまして、活発な産業活動と豊かな市民生活を支える事業に取り組んだことによりまして、市政の各分野において着実な進展が見られているところでございます。 しかし、本市の地域力レベルアップはしているわけでございますが、まだまだ現状を見てみますと、防災の備えを初め、伊万里湾総合開発や交通インフラの整備など取り組むべき課題は山積していると言わざるを得ません。 そういう中で、市制60周年の記念の年でございますが、私自身はやはり戦略としてはインパクトのあるものをやりたいとは思っていたところでございますけれども、1つには、やはり今後にぎわいと活力のあるまちづくりを進めるには、交流人口、あるいは観光人口の拡大、こういうふうなものが大変重要だろうと思っておりますので、ここら辺に力を入れていきたい、観光戦略に力を入れていきたいと思っております。 前田議員おっしゃいますように、人間でいえば還暦。還暦というのは、私自身もいろいろと分析いたしますには、さまざまな経験を積み重ねて人生の充実期に入るとき、そういう意味では、市制60周年というのは伊万里市もさまざまな歩みを糧にして成長、さらに成長、発展する節目の年ではないかと、このように位置づけております。 そういうことで、私自身の4期目のスタートの年と重なったところでございますので、市政運営を担う市長といたしまして、市民の先頭に立って、さらなる将来の発展を見据えた礎を着実に築いていく、そういう年にしていきたいと、このように考えておる次第でございます。 ○議長(内山泰宏)  前田和人議員。 ◆5番(前田和人)  市長のほうに、市制60周年に当たっての所見を述べていただいたわけですが、いずれにしろ、ことしを一つの機として、市長としても3期の経験をもとに4期どう進むかということは大いなるテーマであろうと思いますし、この後、質問いたします後期基本計画についても、その中身がまさにこの伊万里市の進むべき方向を示しているものではないかなというふうに思います。 後期基本計画のほうに移ってまいりますが、2問目として、先ほど壇上でも述べましたが、今回の後期基本計画、大変きめ細かに、立派にできているんじゃないかなというふうに思いました。私も5年前、この総合計画第5次がスタートするときの委員でもあったわけですが、それから早くも5年たち、今回また後期計画ができるということで注目もしておりましたが、本当によく漏れなくと言いますかね、きちんと事前検討がされて、後期基本計画が提案されたのではないかなと大きく評価をしたいと思いますし、また、審議に参画された職員の皆さん、あるいは市民の代表の皆さん、学識経験者の皆さんにも大きく敬意を表したいと思っております。 ただしかし、この基本計画というものは、市政の方向性であるとか重点施策が漏れなく、幅広く示されているわけでありますが、多分この総合計画も、冊子として、あるいは(冊子を示す)こういうふうに製本されるんでしょうか。こういう形で議会審議、議決の後ですね、広く市民の皆さんも見られるようにはなると思うんですが、いかに精度の高い計画ができても、その内容が着実に実行されていかないと、その計画の意味はないということになります。これはもう危惧に終わればいいんですが、その辺が、つくったら、もうできたように思い込んでしまう、もうできてしまったんじゃないかなという錯覚に陥らないように、それをできるだけ具体的にしていく作業が、これからの我々の仕事ではないかなと思います。 そういった意味では、この後期基本計画を具体的なスケジュールと具体的な施策に落とし込んでいくもの、これが基本計画の下の実施計画ということになるんですが、この実施計画について、この辺は非常に大事なことです。現在、平成26年から28年度の3年間を実施計画の期間とされ、また、1年後にはその次の年度からの3年間ということで見直しをされていかれると思いますが、いわゆる時代の変化、環境の変化を捉えてですね、実施計画も修正を加えながら、タイムリーな形に整えていくというのが方向性であるんですけれども、このあたりはそのようにタイムリーな形に調整をしていく作業に実態としてなっているのかどうか、その手応えはいかがでしょうか。 ○議長(内山泰宏)  政策経営部長。 ◎政策経営部長(山本洋一郎)  後期基本計画を実行するための実施計画について、時勢の変化に対応したものになっていくかという点ですが、まず、後期基本計画のほうで、当然、今回見直しのほうで説明をしましたように、時代の潮流の見直しをしている。その潮流の見直しに沿って課題を洗い直して、各施策のほうに大きくは7つの課題を捉えて反映しているというような状況がございます。当然、その時代の潮流に変化した後期基本計画を、まず実施計画に落とし込むという作業をやるということが1つあります。 それともう1点、今回、市長が4期目に当たりますので、当然マニフェストが出ております。そのマニフェストにつきましては、総合計画の基本計画に盛り込むということで、市政運営のための政策として機能することになりますので、今議会の提案理由でも説明されましたように、マニフェストに掲げられた、強く元気な伊万里市をつくるための5つの施策を後期の基本計画に位置づけしていますので、こういった中で実施計画に結びつけていくという作業が出てきます。 具体的な実施計画の反映の方法でございますけれども、後期基本計画案で示しました40の施策につきましては、実施計画を策定する段階において初めて財源的な裏づけを伴う事業として位置づけられるということになります。 実施計画の策定に当たっては、先ほど御案内ありましたが、3年間の財政の見通しを立てて、扶助費や公債費など経常的な経費を考慮した上で、政策的な事業に充てることが可能な額を算定して、その枠内で翌年度以降の3年間に予定する政策的な事業について、市長の施策方針に基づいて優先順位や事業規模等について各分野ごとに計画を立てることとしておりまして、市長、副市長及び部長等で構成する経営戦略会議の中で調整を経て、最終的には市長のほうで決定をされるということになります。 このような経緯を経て策定した実施計画につきましては、翌年度の予算編成における指針として活用しております。各部署が予算要求を行うに当たっては、事業の優先度や有効性を考慮した上で、実施計画で示した事業費の枠内で事業化を検討することとしておりまして、これにより、実施計画から予算編成のつながりを確保するとともに、基本計画の内容を実践に結びつけるという効果を生み出しているというふうに考えております。 ○議長(内山泰宏)  前田和人議員。 ◆5番(前田和人)  ぜひ後期基本計画、それを具体化していくための実施計画というものをですね、着実に先の見通しも立てながら、あるいはやれる事業をどんどんふやしていくというふうな努力をぜひ続けていただきたいなというふうに思います。 先ほど、計画を立てただけでは終わりではなくて、むしろスタートである、いかに実行されるかということが大事だということで実施計画のお尋ねをしたわけなんですが、もう1つの観点からいいますと、この総合計画を定めれば、すんなり実現されるということが保証されたわけではなくて、むしろ、行政の仕事だけではなくて市民との協働により、実践への活動が、実践されることが非常に大事だというふうに思うわけですが、先ほど壇上でのお尋ねでも、市民に対する役割というのがこの総合計画の中でも104個も出ているということはですね、私も一市民の立場からすると、ああ、そんなにあるのかという発見をしたわけなんですけれども、このあたりをぜひ市民の皆さんにも目につくような形にする、あるいはその思いを市民の皆さんに伝えていくということが大事だろうというふうに思います。 この後期実施計画につきましては、ホームページでは多分公開もされるでしょうし、(冊子を示す)あるいはこういう冊子にもなろうかというふうに思いますが、こういうところを見れば行き着きますよじゃなくて、どんなふうに市民の方によりわかっていただけるか、あるいは目を通していただけるか、そういう機会を多くつくっていくということも必要ではないかなというふうに思うんですが、市民に期待される役割が計画の中に記述されております。それを市民の皆さんに周知するあり方としては、今どんなふうに考えていらっしゃいますでしょうか。 ○議長(内山泰宏)  政策経営部長。 ◎政策経営部長(山本洋一郎)  前田議員御案内の、市民に期待される役割についての市民への伝達方法等についてですが、この市民に期待される役割を掲載した経緯をちょっと御紹介したいと思います。 冒頭で申し上げましたように、第5次総合計画の将来都市像の実現を目指して、各種施策を推進するために、やはり行政だけでなし得るものではないということで、市民の皆様とともに取り組んでこそ初めて実現するという姿勢で策定にも臨んでおります。 この平成19年に策定したときには、計画策定の初期の段階から市民の皆様の意見を反映させるということで、市内各町からの推薦、公募など54名の市民の皆様から成るまちづくり市民会議を設置して、計画策定に取り組んでいるところでございます。 そういう中で、基本構想、前期基本計画を策定し、各施策ごとに市民としてできることについて考えをまとめていただきました。その内容を、市民に期待される役割として前期基本計画に掲載し、今度の後期基本計画でも掲載をしたところでございます。 そこの中でも一部修正を加えて、今回、その市民に期待される役割についても記述をしているところでございます。そういうこの市民に期待される役割について、市民の方への周知についてですが、御案内がありましたように、議決を受けた後には、まずホームページに掲載をする、その後、冊子を作成し、市内の小・中学校を初め公民館や図書館などの市の施設に配付をするなど、多くの市民の皆様に気軽にごらんいただけるようにしたいというふうに考えております。それに一番大事なのは、各施策を推進する市の担当部署が具体的に事業等を実施する際に市民の皆様に担っていただく役割として説明を行い、理解を得ながら事業を進めていきたいというふうに考えております。 ○議長(内山泰宏)  前田和人議員。 ◆5番(前田和人)  大変な努力の中でこの基本計画も策定がされ、いい形ででき上がっているなという感想は先ほど述べましたけれども、ぜひこの計画の中に市民の方の意見もたくさん反映をされているということからすれば、拾い上げるだけじゃなくて、これをまた市民の方にいかにきちんとフィードバックをして、市民の皆さんのお一人お一人の役割だとか、あるいは行動を促すような活動が行政としても大事ではないだろうかなというふうに思います。 行政が一生懸命、頑張っている姿というのは、私も経験した中で十分感じているところではありますが、いかんせん、行政だけの頑張りではなかなか大きな力にはなり得ないというか、もっと大きな力にするためには、市民の皆さんの力をどう結集するかというところが非常に大事だろうというふうに思います。 きょうも、午前中の一般質問の中でも、観光面の取り上げがありましたけれども、代表的には市が観光行政の旗振りをするだけじゃなくて、やっぱり市民の皆さんがどう対応していくのか、どういう役割を持っていくのかということが知れ渡って、気づいてもらって、なおかつ行動していただくというところまでいかないと、大きな流れにはなりにくいのなかというふうに思いますし、また、そういうことが実現できれば、思わぬ大きな効果というか、相乗効果が出てくるのではないかなと、そういう期待をするところであります。 今お尋ねをしましたように、後期基本計画が策定をされ、あるいは実施計画の中でさらに細部を練られていく、事業化に対する作業が進んでいくという中で、この後期基本計画、今後5年間ですけれども、これがすべからくうまく実行された場合、市長にお尋ねをしますが、具体的にはどんなまちになっていくのか、あるいはどんな形になりたいのか、あるいは市民が望む姿に対して、満足度においてどんな形になっていたいなというふうなところが、市長自身の感想といいますか、所見としてございましたらお聞きしておきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(内山泰宏)  市長。 ◎市長(塚部芳和)  恐らく、5年後の伊万里市の絵姿というような御質問ではないかと思いますが、伊万里市におきましては、伊万里湾開発を市政発展の中核に据えた新たな企業誘致、あるいはまた、産業導入の成果によりまして、今日では、製造出荷高、県内第1位というようなことで、西九州地域の有数の工業都市として成長をしております。 今後とも、海外との貿易や産業集積を図るための伊万里湾開発と西九州自動車道の市内区間の開通を契機とする観光戦略の展開がさらなる飛躍のための大きな鍵ではないかと、このように位置づけをしております。 私が期待を込めて描く未来の伊万里市の絵姿ではございますが、まずは、伊万里湾開発につきましては、ある程度、七ツ島側、あるいは久原側はでき上がっておりますけれども、今後、浦ノ崎地区における、いわゆる産業用の処理用地、あそこを産業用地、あるいはまた工業用地、あるいはまた何らかのレジャー用地としての整備が整い、さらに臨海型企業の立地が進み、大規模な雇用の確保が実現をするとともに、伊万里港の両岸に整備された大水深の埠頭には、七ツ島側には大型船のコンテナ船が連なって接岸をしているような状況、あるいは久原側には旅客船も停泊する、そういう東アジアの経済成長を取り組む日本海側における拠点港として活況を呈してといるイメージをしておるところでございます。 また、西九州自動車道が市の中心部まで延伸をし、今、今後取り組んでいきたい福岡都市圏をターゲットとする観光戦略、こういう戦略の展開の成果があらわれまして、大川内山を初め、市内の観光地はもとより、市街地のほうにも多くの観光客が訪れるなど、かつての伊万里津のにぎわいを彷彿させるような町なかに、にぎわいと活力があふれる、そういう姿を思い描いておるところでございます。 また、農村部に目を向けますと、食や農をテーマとするグリーンツーリズム、いわゆる体験型農業、体験型観光による都市と農村の交流が活発に行われるようになるほか、伊万里梨、あるいは伊万里牛あたりが海外に多く輸出をされて、まさに伊万里焼と並ぶ世界ブランドに確立されるような、そういう思いをいたしております。 さらに、子どもから高齢者まであらゆる世代の市民の皆様が、元気で生き生きと暮らし、災害のない安心して住める健康長寿のまちとして定着をし、もしもの災害の発生時に市民の皆様の生命と財産を守るための防災体制が万全に整った安心・安全が確保がされたまちを思い描いているところでございます。 いずれにいたしましても、今回の後期基本計画は、将来都市像である「活力あふれ ひとが輝く 安らぎのまち 伊万里」の実現に向けた重要な役割を果たすものと認識をしておるところでございますので、今後5年間の施策の展開により、目標年次である平成30年度には、先ほど申し上げました私が思い描く未来の絵姿に大きく近づくことができるよう全力を傾注していきたい、このように思っております。 ○議長(内山泰宏)  前田和人議員。 ◆5番(前田和人)  あえて塚部市長に、5年後の絵姿という問いをしたわけでございますが、将来を正確に予言をするということはなかなか難しいことであり、また、夢がすばらしいものといいますか、大きいほど、その実現に対しては大きな力が要るわけでありますが、何も考えずに夢のようなことがいきなり実現するということはあり得ないことも事実でありまして、ぜひそういう、今、市長が述べられた壮大な夢というものをですね、ぜひ実現できるように我々もみんなで頑張っていかなきゃいけないなというふうな意を強くするものであります。市長もそういう夢を持ってですね、諦めずに突き進んでいただきたいと思います。 その次でございますが、ちょっと今の話に少し水を差すような質問になるかもしれませんが、後期基本計画の財源見通しということであります。 大きな夢を実現させていくためには、やはり思いがあり、それに対してエネルギーもたくさん要るわけではございますが、知恵を出す、あるいは創意工夫をするというだけではなくて、同時に、大いに財源も必要とするわけですね。これはもう市長自身の悩みでもあるのかもしれませんけれども、私もこのところの財政状況を、数字を見るにつけですね、やりたいことはたくさんあるけれども、なかなか財源的なものが財政的に厳しいというのは、もういろんな場面で見聞きをするところであります。 財政面につきましては、平成23年から27年度を実施期間として、第5次行政改革大綱というものの中に、それに合わせて財政基盤安定化計画、(資料を示す)ここにございますけれども、こういうものをつくっていらっしゃいますよね。以前は、財政健全化計画という名前であったかなと思うんですけれども、現在は第3次財政基盤安定化計画というふうになっております。 この中を見てみますときに、ここ数年の財政フレームを見てみると、政策的事業の、あるいは一般財源の予測というものはこの中でされておりますが、横ばいか、むしろ減少傾向にもあると。要するに、これからある程度、自由に使えるお金がどんどんふえていく可能性は、今のところなかなか見出せないというような状況であるのではないかなというふうに思います。これは、まさしくそれが事実でありますので、それをどうこう言うつもりではないんですけれども、こういう財政状況の中で、基本計画でもくろむ事業、基本計画、今回示されている計画事業がたくさんあるんですが、これがどれぐらい本当に財源を伴って実現できていくのだろうか、あるいは可能なんだろうか、これはもう懸念せざるを得ない問題ではないかなというふうに思います。 財政問題につきましては、例えば、単年度、市の財政収支が赤字ではない、単年度黒字である。だから、大丈夫だとか、あるいは財政再建団体に陥る基準というのがありますよね。そこまでには至っていないから、もう少し手前だからまだ安心だよと言い切れないんじゃないかなと私は思います。 例えば、市民の皆さんからの要望や、あるいは議会の中での要請に対して、執行部からのお答えはですね、大変多いのが、意味はわかりますが、予算が厳しい状況の中ではいかんともしがたいというふうな理由がたくさんあって却下される場面が数多い。こういう事情の中ではですね、これも、じゃ、どうすればいいのかという話なんですが、財政をやっぱり楽観視はできないんじゃないかな。むしろ、財政危機であるという認識を持って臨んでいくべきではないかなというふうに私自身考えます。 この辺については、財政当局についてはその辺をどうしようかということで、いろいろ知恵を絞っていただいているというふうに思いますが、後期基本計画を実施する上での財源見通し、あるいはまた、多くの事業をかなえるためにどんな工夫が必要なのか、あるいはどんな工夫をしていくのかというふうなところをお答えいただきたいと思います。答えは難しいと思いますが、思いをぜひ述べていただきたいと思います。 ○議長(内山泰宏)  政策経営部長。 ◎政策経営部長(山本洋一郎)  前田議員お尋ねの、後期基本計画の実施に向けた財政の工夫というようなお尋ねでございます。 まず、財政運営の基本的な考え方について申し述べたいと思いますが、故事の中に「入るをはかりて出るを制す」という言葉がありますように、歳入に見合った歳出の原則を踏まえながら、多様化する行政ニーズ、市民ニーズに的確に対応すべく、計画的かつ効率的な財政運営を行うことを基本に進めているところでありまして、予算編成はできる限り正確な中・長期の財政を見通し、将来的な歳入歳出が均衡した予算編成になるようにしなければならないというふうに取り組んでおります。 そのために、実施計画においては、目まぐるしく変化する国、県及び社会・経済情勢を注視しながら、歳入においては税収や地方交付税の変動を考慮し、歳出については増加傾向にある扶助費などの義務的経費の見込みを立てるとともに、財政指標の推移などを検証した上で、3年間の事業計画を見通した計画として、毎年見直しをしているところでございます。 財政見通しでございますけれども、後期基本計画を実現する財源見通しについては、今年度の予算編成のために立てた実施計画の今後の3年間の財政フレームで申し上げますと、歳出につきましては、社会保障関係費などの扶助費、公債費などの義務的経費の増加に加え、老朽化した公共施設等の維持補修や大規模な修繕、改築などが今後確実に想定される中、他会計への繰出金が増加をするというふうに見込んでおります。 一方、歳入では、自主財源の根幹であります市税収入は低減傾向というふうに見込んでおり、核燃料税交付金や地方消費税交付金について一部増加が見込まれるものの、大幅な増加を見込むことが難しいという状況を見込んでおります。 また、歳出の政策経費において義務的な経費が拡大していくことなどが見込まれることから、財政調整基金の繰り入れによります財政運営を余儀なくされるというふうに見込んでおり、御承知のとおり厳しい財政運営を予測しているという状況でございます。 そういう中で、前田議員お尋ねの工夫のほうでございますけれども、後期基本計画に掲げる各施策の目標実現のために、やはり毎年度、一定の政策的事業に充填できる一般財源を着実に確保していく必要がございます。その工夫の一つとして、先ほど御案内がありました、財政基盤安定化計画によります取り組みでは、これはもう地道でありますけれども、着実にやらないといけない取り組みでございます。 まず、歳入面では、市税、保育料、市営住宅等の税や負担金、使用料の収納率の向上対策の推進、あるいは固定資産の新地積課税、遊休市有地の売却や貸し付け等を掲げ、鋭意取り組んでいるところでございます。 歳出におきましては、職員数の抑制による人件費の削減、扶助費における適正化事業の推進、下水道等事業での水洗化率や収納率の向上による一般会計からの繰出金の抑制、行政評価を活用した各事務事業等の見直しによります歳出の削減などに引き続き取り組み、財源を見出していきたいというふうに思っております。 また、財政基盤安定化計画以外の取り組みといたしましては、本市では起債残高が他市に比較して大きいことから、歳入の状況によっては金利の高い起債についてはできる限り繰り上げ償還を行い、将来の歳出削減を図る、あるいは、できる限り財政措置のない起債を借りずに財源を見出すなどし、政策予算の財政フレームについて継続的な拡大を図っていくということも検討したいというふうに考えております。 さらに、国、県等の新鮮な財源情報を鋭敏にキャッチするとともに、計画しております事業とのマッチングにスピーディーに対応を図るということも臨機応変に取り組んでいきたいというふうに考えております。 いずれにしましても、後期基本計画の実現のためには、毎年行う財政フレームの見直しの中で持続ある行政サービスの提供ができるように、税や地方交付税などの歳入の増減や歳出の年次計画による多寡など、さまざまな収支予測をしつつ、それに対応できる確固たる財政基盤の構築を進めて、時代の変化に対応した効率的かつ効果的な行財政運営に取り組んでいかなければならないというふうに考えております。 ○議長(内山泰宏)  前田和人議員。 ◆5番(前田和人)  大変難しい事柄ではあろうかと思いますが、ぜひ知恵を絞ってですね、各事業が前に進むように取り組みをお願いしたいというふうに思います。 また、答弁の中で「入りをはかりて出るを制する」という言葉がありましたけれども、いたずらに出るを制すると事業ができていかないというふうにもなりますので、この出るのところのいわゆる投資ですね、入るの見返りが大いに見込める事業については先行投資的に事業をやっていく、その最たるものは観光事業あたりではないかなと思うんですけれども、そういう見きわめをしながらですね、ぜひ前に進んでいただきたいと思いますし、我々も一緒に頑張っていきたいなというふうに思っております。 市長、最後に何かございますか。 ○議長(内山泰宏)  市長。 ◎市長(塚部芳和)  今、前田議員御指摘のとおり、やはり財政というのは財政フレームが大変厳しい中ではございますけれども、しかし一方では、やるべき問題はスピード感を持って取り組み、その効果が後年にあらわれるようにしていかなければならないと、このように思っておりますので、今後とも議員各位の皆様の御協力を切にお願い申し上げたいと思います。 ○議長(内山泰宏)  前田和人議員。 ◆5番(前田和人)  終わります。
    ○議長(内山泰宏)  本日はこれをもちまして散会いたします。               (午後4時32分 散会)...